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2017/06/07

積極的治療を望まない終末期の傷病者の救急措置に関する提言

終末期の状態にある人のなかには、今後の回復が見込めないために積極的な治療を望まない人もいる。事前に書面等でそのような意思表示をしている“リビングウィル”“Advanced Directive(事前指示書)”と呼ばれるものだ。しかし、そうした人でも急変して医療機関に搬送されると、救命措置が取られるケースが少なくない。日本臨床救急医学会は、心肺停止の状態の患者について救急隊員がかかりつけ医などを通じて意思を確認できた場合は、救命措置を取りやめることができるとする提言をまとめた。

この提言では、救急隊員が駆けつけた際には心肺蘇生などの救命措置を取ることを原則とするものの、かかりつけ医などに連絡して、救命措置を望まないという患者の意思を確認できれば、搬送や救命の措置を取りやめることができるなどとしている。さらに、その場合に備えて救命措置などを望まないという意思を救急隊員が確認できるよう、事前にかかりつけ医のほか、本人または家族の署名入りの書面を作成しておくよう求めている。

米国心臓協会(AHA)の「心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン」では、「DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)の指示がある場合のプロトコールを定めるべきである」とし、定めない場合には、「いわゆる“slow-codes”といわれる“やっている振り”の心肺蘇生等が実施される」としている。我が国の蘇生ガイドライン2015では、傷病者等が心肺蘇生を希望しない場合の項はもうけられているものの、対応に関する指針はない。

同学会の提言では、基本的な対応の手順を以下のように示している。

  • 救急現場に到着した救急隊は、心肺蘇生等を希望しない旨が医師の指示書等の書面で提示されたとしても、まずは心肺蘇生等を開始する。
  • 心肺蘇生等を継続しつつ、救急隊はかかりつけ医に直接連絡して心肺停止の状況等について報告し、医師の指示書等の記載内容と心肺蘇生等の中止の是非について確認する。
  • 救急隊は、心肺蘇生等の中止の具体的指示をかかりつけ医等から直接確認できれば、その指示に基づいて心肺蘇生等を中止する。
  • これら一連の手順は、本提言で例示した標準的活動プロトコールに基づいて都道府県メディカルコントロール協議会等が地域の実情にあわせて修正した地域の活動プロトコールに則して行う。

詳しくは、下記の日本臨床救急医学会Webサイト参照

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