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公開日:2023/9/13

新しい液状濃厚流動食で実現できた
褥瘡ケアと排便コントロール

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松江生協病院では、管理栄養士と医師・看護師等が協働し、患者の個別性に合わせたきめ細かい栄養管理を実践している。今回、再発を繰り返す褥瘡患者に対して、新しい液状濃厚流動食「サンエットK2」を、創傷治癒効果と栄養成分に着目して導入した結果、褥瘡の軽快が見られただけでなく、排便のコントロールも可能となった。同院の管理栄養士・金田恵美さんにお話を伺った。

当院は、島根県松江圏域の二次救急医療の中心的役割を担うだけでなく、急性期・慢性期・回復期、そして 在宅医療に至るまで幅広い医療サービスを提供する地域中核病院です。私が担当する慢性期病棟でも、患者様の退院後の生活を見据えた栄養管理を多職種が連携し、トータルに取り組んでいます。

経管栄養患者の下痢や便秘にどう対応する?

 下痢や便秘が発生したら、すぐに経管栄養の投与を中止するのではなく、その原因を確かめることが重要です。まず、服用中の薬剤を確認します。抗菌薬や抗がん剤などは重度の下痢を引き起こすことがあるため注意が必要です。特に抗菌薬を使用している場合はClostridioides diffi cile等の感染を確認します。
 また、流動食に含まれる栄養成分も確認します。脂肪エネルギー比率が高くなりすぎていないか、食物繊維の量は適切かといった点です。便秘傾向がある患者様では、 MCT(中鎖脂肪酸)や乳酸菌を流動食に加えて調整しています。

下痢予防の点から投与速度も 大切なチェックポイント

■ 表1 下痢発生時のチェックポイント
〈参考〉日本静脈経腸栄養学会編:静脈経腸栄養ガイドライン 第3版.照林社,東京,2013.

 下痢発生時には投与速度を落として様子を見ます。経管栄養開始時は、基本的な対策として少量から低速で開始し、徐々に増やしていきます。胃瘻の場合は 200mL/時程度、空腸瘻の場合はそれよりも遅く100mL/時程度としています。選択した流動食を継続するため、患者様の病状に応じて看護師が徹底してくれています。

薬剤に頼らない排便コントロールに 有効な流動食の導入

金田 恵美さん
松江生協病院 管理栄養士
管理栄養士として働く傍ら、栄養と介護の両
面から患者様をサポートしたいとの思いから
2021年にケアマネジャーの資格も取得。

 排便コントロールが必要な患者様に対して、流動食の変更も大切なアプローチです。高齢の経管栄養の患者様では便秘の方が多く、現状下剤や浣腸で調整していますが、流動食の成分を見直すことで、薬剤に頼らない排便コントロールも可能だと感じています。
 こうした考えから、新しい液状濃厚流動食「サンエットK2」(ニュートリー株式会社)に着目しました。サンエットK2には1,000kcal 当たり、乳酸菌 E. フェカリスの加熱殺菌菌体 6,000億個、ガラクトオリゴ糖2.0g、 グァーガム分解物15.0gが含有されており、排便コントロールに効果が期待できる組成となっています。
 実際に、サンエットK2に切り替えた便秘の患者様で、それまで必要だった摘便をしなくてよくなったケースや下剤の量を減らせたケースもあります。さらに、経管栄養中の患者様は下痢や便秘だけでなく、複数の病態を抱えているケースもめずらしくありません。褥瘡もその1つです。 サンエットK2には、褥瘡ケアに効果が期待できる1コラーゲンペプチドが10g(1,000kcal 当たり)も含まれています。
 今回、これらの成分に着目し、サンエットK2を褥瘡症例に使用しました。(投与スケジュール:表2)

■ 表2 サンエットK2の投与スケジュール
(1,400kcal/日の場合)

創傷治癒の促進を期待してサンエットK2を提案

 私がAさんの担当になった際、褥瘡状態の改善に向けて栄養管理の見直しを行いました。Aさんはカロリーアップが必要であったこと、また、創傷治癒促進効果のあるコラーゲンペプチドを多く含ことから、サンエットK2への切り替えを医師に提案しました。NPC/N比が理想の150に近く、Aさんに必要なたんぱく質量を適正にカバーできることもポイントとなりました。
 サンエットK2導入後1か月ほどで左腸骨部の褥瘡は治癒しました。現在、脊柱部の褥瘡も治癒に向かっており、創のサイズは4.0×2.0cm、ポケットを含むサイズは4.0×2.5cmと、入院時から比較すると約半分の大きさに縮小しました。 完全な治癒にはまだ時間がかかる見通しですが、サンエットK2に切り替えたことで褥瘡がよくなってきた印象があります。

排便コントロールにも奏効したサンエットK2

■ 図3 A氏のブリストルスケール推移表

また、サンエットK2の導入により、便の性状にも変化がありました。Aさんは既往にパーキンソン病があるため、もともと便秘の症状があり下剤も服用していましたが、入院後に尿路感染症を発症し、抗菌薬の投与が開始されました。この抗菌薬の使用をきっかけにブリストルスケール7の水様便が見られるようになり、臀部の皮膚障害も生じてしまいました。
 そこで、サンエットK2にはグァーガム分解物とガラクトオリゴ糖が配合されているため、排便コントロールには効果が期待できることを医師に伝え、下剤の見直しを提案しました。 まず、4種類の下剤を中止していただきました。下剤中止後もサンエットK2使用中はブリストルスケール4〜6の間でコントロールできました(図3)。便性状が変わったことで、皮膚障害も落ち着いてきたと看護師から聞いています。

 今回、経管栄養管理中の褥瘡患者に対して、サンエットK2の導入により、褥瘡と便の性状に改善が見られた症例を紹介した。金田さんは、コラーゲンペプチドや乳酸菌、ガラクトオリゴ糖、グァーガム分解物等のさまざまな機能性成分が1つの栄養剤で補強できるサンエットK2の強みを生 かして、患者の課題に流動食の成分からアプローチすることの大切さについてあらためて実感したと言う。
 「 サンエットK2に含まれる機能性成分は下痢や褥瘡などさまざまな病態にアプローチが可能で、とても魅力的な栄養組成と感じています。今回、サンエットK2を導入したことで、Aさんの排便コントロールが良好となり、褥瘡も治癒に向かいました。アルブミン値も入院時は2.5g/dLでしたが、現在は3.4g/dLにまで上昇しています。栄養状態も改善されたことで体重も増加しました。Aさんは今、経口摂取開始に向けて嚥下訓練もスタートしています。患者様の栄養管理の観点から、サンエットK2を提案できてよかったと思っています。」

〈引用文献〉
1: Yamanaka H, Okada S, Sanada H: A multicenter, randomized, controlled study of the use of nutritional supplements containing collagen peptides tofacilitate the healing of pressure ulcers. J Nutr Intermed Metab 2017; 8: 51-59.

最後に

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