～ 特集 ～
精神疾患を抱える人への訪問看護師の対応の基本と高齢化・身体疾患合併への対応

2023年６月公開

東　美奈子

訪問看護 花の森 管理者
（2023年６月現在）

訪問看護 花の森 管理者
（2023年６月現在）

あずま・みなこ
山口県立衛生看護学院保健婦科卒業。保健師、精神科認定看護師。総合病院や精神科病院などの勤務を経て、2007年に島根県出雲市に移住し、相談支援事業所「ふあっと」の相談支援専門員に。2015年には株式会社RETICEを立ち上げ、同市内に訪問看護ステーションと相談支援事業所を開設。現在は郷里の山口県にて、訪問看護を展開中。“医療と地域をつなぐ”をテーマに、精神科看護師や相談支援専門員の人材育成に携わっている。島根県の相談支援アドバイザーや日本精神科看護協会の理事など多数の要職を務める。

目次

• 精神疾患を抱える人への対応で、訪問看護師が心がけるべきこと

精神疾患患者への訪問看護師の対応の基本

• 1.リカバリー視点
• 2.ストレングスアセスメント
• 3.関係づくり
• 4.利用者のニーズに寄り添う
• 5.夢をかなえるための看護計画
• 6.クライシスな状況を回避するために

訪問看護師が出会う精神症状

• 「幻覚妄想」に対する看護
• 「感情鈍麻」「思考過程の障害」に対する看護
• 「作為体験」「強迫行為」「意識変容」に対する看護
• 「昏迷・昏睡」「依存症」に対する看護

訪問看護を実践するうえでのポイント

• 1.インテーク
• 2.アセスメント
• 3.日常生活支援（QOL向上を目指して）
• 4.自己決定支援とエンパワメント
• 5.医療継続支援
• 6.家族支援
• 7.多機関多職種連携

• 高齢になった精神疾患を抱える人の特徴と対応の実際
• 精神疾患を抱える人の身体合併症と適切なケア方法
• 在宅療養者の「ちょっとおかしい？」にどう気づくか：精神的な問題への対応

精神疾患を抱える人や心のケアが必要な人への訪問看護・精神科訪問看護は、ご自宅に訪問して、精神疾患も含めた心身両面の病気の予防、早期発見、回復に向けて治療的かかわりを行うことです。何よりも大事なことは、病状による不安や悩みに対する支援を行うと同時に、精神障害から起こる生活のしづらさに対する具体的な支援を“生活の場で”行うことです。

そのため、訪問看護師には、精神疾患に対する理解はもちろんのこと、リカバリーの視点や自己理解・他者理解の視点が重要になってきます。また、対象となる人はコミュニケーションの苦手な人が多いため、コミュニケーション技術を磨いておく必要があります。さらに、訪問看護では、その人らしい生活の実現を目指すため、利用者自身が大切にしていることを中心に、自分のことを自分で決めることができるように支援することが大切です。

この特集では、訪問看護で出会う精神疾患を抱える人・心のケアが必要な人への具体的な援助の方法を紹介していきます。

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