2017年3月公開
1月の第3木曜日午後2時、三田市民病院6階東病棟のスタッフステーションに13名のナースが集まって勉強会が始まりました。忙しい業務の合間をぬって開催された15分間の勉強会をするのは、皮膚・排泄ケア認定看護師の髙橋佳子(たかはしよしこ)さん。
「まず、ストーマの種類について勉強しましょう。資料を見てください。1ページ目にストーマの分類が出ています。消化管のストーマの分類には、造設時期による分類と造設部位による分類、そして開口部の数による分類があります。………」――この日のテーマは、「ストーマの種類」「ストーマの代表的な術式」。隔週1回木曜日に開かれている「ストーマミニ勉強会」では、ストーマについての基礎知識から具体的なケアの実際まで、ストーマケアを系統的に知るための内容が盛り込まれています。6階東病棟は消化器内科・外科を主とする病棟で、ストーマを造設した患者さんが多く入院しています。
髙橋さんがこの勉強会を始めたのは2015年10月のこと。毎週木曜日開催で、2016年3月までに計19回開かれました。勉強会開催の経緯について髙橋さんは、「ストーマについては専門的な内容が多いので、私もスタッフのための勉強会をしようかなと思っていました。そんなとき、病棟のほうからストーマについてきちんと勉強したいという要望があがってきたのです。どういう形で勉強会をするかを考えました。通常は、勤務時間後に講堂に集まって1時間半くらい集合教育することが多いですね。でもそういう形だと、『質問ありますか?』と聞いてもよほどのことがないと出てこない。それだったら、普段の現場で困っている問題をその場で出しやすいような雰囲気の中でやったほうがいいと思ったのです。ストーマケアってすごく覚えることが多いので、短い時間で凝縮してやったほうがいい。それで病棟で15分なら15分、時間を決めて定期的にやろうと考えました」と振り返ります。
当時は、ローテーションで消化器内科から消化器外科に半数以上が異動していたという事情もあり、ストーマケアについてほとんど知らないスタッフが多かったこともあります。スタッフの藤平美穂(ふじひらみほ)さんは、「この病棟に配属になって1年くらいですが、以前は5階東の整形外科病棟にいました。その前の外科病棟でストーマ患者を受け持っていたので、ストーマケアにはすごく関心がありました。それで、もっとストーマについて学びたいと思っていたのです」と言います。
勉強会を始めたときは、スタッフが現場で困っているストーマケアの実際の問題を解決するためだったため、漏れや合併症、装具の選び方など、皆が疑問に思いがちな問題に焦点を当てていました。「最初はそれでスタートしましたが、個々の問題を解決するためにもストーマ全体の知識を持ったほうがいいと考えて、体系的な内容を網羅したプログラムに変えていきました」と髙橋さん。今年1月から始まった勉強会では、「高齢者のストーマケア」や「社会福祉制度」などの項目も入れて、総合的にストーマケアの知識を得てもらう内容になっています。
研修企画書 ストーマミニ勉強会
テーマ | 消化管ストーマケアの基本的な知識を習得しよう |
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日時 | 2017年1月~3月 第1・第3・第5木曜日 14:00~14:15 |
対象 | 6階東病棟看護職員+希望者 |
場所 | 6階東病棟スタッフステーション |
内容 | 資料によりミニ勉強会の開催
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企画・研修担当 髙橋佳子
「勉強会を始めるときに、まずテキストを何にしようかと考えました。ストーマケアについては医学の本では詳しいものがあるのですが、看護師だからこそ知っておきたい知識を体系的に網羅した書籍は少ないのです。そんなときたまたまアルケアさんの営業の方が来られて『うちでこんなウェブサイト始めたんです』と言ってパンフレットを見せてくれました。何気なく見てみるとストーマの医学的な基礎からストーマ装具、合併症や具体的なケア、そしてオストメイトの日常生活のことや社会福祉制度まですべて体系的になっていて、これはいいなと思いました」と髙橋さんは言います。それが、ディアケア “ストーマケア・ナーシング”です。
髙橋さんは、その日のテーマに応じた項目をプリントアウトして参加者に手渡し、その内容に沿って解説していきます。「勉強会1回が15分でしょ。各項目1頁から2頁なので、ちょうどいい長さなのです。これを資料にしていこうと決めました。このサイトは皮膚・排泄ケア認定看護師の方々が執筆されているんですよね。すごく信頼できます。それと、勉強会や研修会を続けようというとき、実は一番大変なのが資料づくりなんです。
日々の業務に追われているとなかなかまとまった時間がとれない。アルケアの営業の人が、『いくらでもプリントアウトして使ってください』と言うので……」。
藤平さんも「勤務の都合で参加できない勉強会もあるのです。そういうとき、ウェブサイトを開いて自分で勉強できますし、いつでもアクセスできるのでやっぱりウェブサイトが便利です」と言います。
スタッフの古家後智美(こやごともみ)さんは6階東病棟に来て1年半、「勉強会やサイトで体系的な知識が得られるのはもちろんありがたいですし、実際にいま担当しているストーマ患者さんの具体的なケアについてその場で質問ができるのもいいですね。他にも医療用サイトは結構ありますが、このストーマのウェブサイトのように、ナースが知りたいことを “かゆいところに手が届く”ように書いてあるウェブサイトはほとんどないので助かります」と言います。
スタッフの安心とケアレベルの向上に役立つ「ストーマミニ勉強会」で、ディアケア “ストーマケア・ナーシング”は確実に役立っているようです。
※本記事は、エキスパートナース2017年4月号にも掲載されています。