糖尿病性足病変に対する 治療・フットケア

杏林大学医学部
形成外科 教授 大浦紀彦
日本看護協会看護研修学校
認定看護師教育課程長 
溝上祐子

1. 糖尿病足病性潰瘍とは

糖尿病の多様な病態は、微小血管障害から派生し、糖尿病腎症、網膜症、神経障害の3大合併症を引き起こします。微小血管の閉塞によって各臓器に栄養や酸素が行き渡らなくなると、臓器障害が生じます。これらの糖尿病の3大合併症の次に重要なのが、動脈硬化による中小動脈の「血流障害」です。この「糖尿病神経障害」と「動脈血流障害」、そして「感染症」によって複合的に発症する病態が「糖尿病足病性潰瘍(diabetic foot ulcer:DFU)」です。
糖尿病足病性潰瘍は、患者のADLを低下させ、著しくQOLを低下させ、患者の生活様式を変化させるため、第4の糖尿病の合併症といわれています。

糖尿病先進国であるアメリカでは、糖尿病患者の15~25%が足潰瘍を経験し、適切な治療がなければ糖尿病足病性潰瘍の14~20%が切断に至るといわれています。わが国では、透析患者の1,000人のうち、9.1人が四肢切断されているといわれています。糖尿病の足を救うことは国家的課題なのです。

COLUMN
本サイトにおけるDFUの定義

本文でも解説したように、本来、「糖尿病足病性潰瘍(diabetic foot ulcer:DFU)」とは「糖尿病神経障害」「動脈血流障害」「感染症」によって複合的に発症する病態ですが、本サイトでは、神経障害性の糖尿病性潰瘍のこととします。

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