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公開日:2021/9/24
高齢者では、嚥下機能や認知症の影響や、様々な個々の背景があり、必ずしも食事が楽しみではない、食事の時間自体が負担となっている方がいらっしゃいます。
訪問看護サービスでの利用傾向として、要介護度が高くなるほど「食支援」の利用が多いとの調査があります(※1)。支援者にとって、要介護度が高いほど食事にまつわるトラブルへの危惧にもつながり、食事中の観察などとともに、介助の拘束時間の長さも支援者の負担となっています。この支援者の方の負担について、介助の時間短縮をすることで負担が軽減される可能性があることが報告されています(※2) 。
● 要介護度別の介護サービス利用状況
(文献1)より抜粋)
嚥下食では、「加水で容量が増える▶同量でも栄養価が少ない」や、調製段階で“うま味” が減少していることも報告されています(※3・4)。ただでさえ食事摂取量を苦慮される中、嚥下食の栄養価は、調製する際の問題点となっています。
● 食形態による量・栄養量の比較(※3)
4.0 k cal/mL ONS の食支援とは
量を増やさず栄養価を確保し、短時間化でそれぞれの負担を軽減嚥下食で食支援を受ける方に、嚥下食(ペースト食、200 kcal)と、200 kcal の4.0 kcal/mL O NSで、スプーン提供回数を比較しました。
スプーン提供の回数は、ペースト食と比べ4.0 kcal/ml ONS では、約1/3 に軽減しました。
嚥下食で食支援を受ける方の体調などに合わせて、栄養価や栄養量を考慮して、献立の一部を4.0 kcal/mL ONS に置き換えます。また、1 日のうち1 食を置き換えるのも、ひとつの方法です。
全量ペースト食
1品 置き換え
1品+お粥半量 置き換え
400 kcal の嚥下食と比較してスプーン提供回数は、「1 品」を置き換えて約1 割、「1 品+お粥半量」を
置き換えて 約 1/2 に減少しました。
ご注意
●管理栄養士の指導のもとに行ってください。
●パックに残ったONSは、しっかりと封をして冷蔵庫に保管します。
保管は、開封後24時間以内を目安にしてください。
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引用文献
(※1)厚生労働省.平成27年度介護サービス施設・事務所調査概況2016年9月 .2019年9月30日アクセス
(※2)岡澤仁志ら.老年歯学2016.:31(3);354-62
(※3)栢下淳.老年歯学.2018;33(2):45-51
(※4)山田 志麻ら.日本栄養士会雑誌.2014;57(10):38-46
(※5)水野英彰.超高濃度な経口補助食品で不足量を補い介護者の食事介助の負担を軽減する.ヘルスケアレストラン.2018.9月:30-162
テルモ株式会社
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