Special Interview “介護”のすぐそばに“医療”がある安心を! 介護施設の看護師・介護職に“チャット”で
医療情報を提供する ドクターメイト株式会社

2020年9月公開

代表 青柳直樹 さん

医師が少ない介護施設や在宅の場で、
医療的な問題について相談したいと思っている看護師や介護職は多くいます。
「すぐに」「その場で」解決したい問題に、
第一線にいる医師がオンラインで即座に答えるサービスを
行っている“ドクターメイト”。
彼らが目指す、安心して看護・介護が提供できる場のサポート体制について
お話をうかがいました。

――介護施設の利用者の方々の身体的・精神的な特徴について教えてください。

介護施設にいる方は、自分でなかなか動けないということ、そして自分から情報を取りにいけないというところが、ご自分で歩ける方とは違うと思います。そのため、自分のことに対してかなり強い不安を持たれている方が多いのでないでしょうか。

――そういう方々に対して、看護師さんや介護の方々が持っていなければいけない知識や態度・姿勢とは、どのようなものですか?

介護施設や在宅では、病院よりもより総合的に患者さんの生活の場に寄り添うわけですから、看護師さんや介護職の方々は、利用者さんから非常に広く多角的にいろいろなことを聞かれると思います。そのため、ご自身で知識を得る手段とか、どのような人から情報収集したらよいかなどについて、普段からしっかりと身につけておくことが大事だと思います。

――ドクターメイトでは、看護師や看護職から、“チャット”などオンラインで相談を受けておられますが、実際にはどのような相談が多いのでしょうか。

分野で言うと、皮膚科や精神科の相談が多いのですが、それ以外の科でもさまざまな質問が来ます。利用者さんの経過を見ていく中で、どのような変化があったらどのような対応をすればいいのか、さらに医師に報告するのはどのような状態なのか、などの質問が多いです。

――例えば、皮膚科や内科、あるいは精神科ではどのような質問があるのでしょうか。

皮膚科だと褥瘡もありますし、あるいは突発的に皮膚が剥けてしまったとか、皮膚が赤くなっていて薬を塗っているけれどなかなか治らないなどの質問が多いですね。
内科関連も非常にさまざまなで、「病院でこういう検査を受けてきたけれど、この検査の意味ってそもそも何ですか」とか、「病気の名前は確定しているけれど、この病気って何ですか。今後、何に気をつけていけばいいのですか」などという質問もあります。これらのことは、短い診察時間の中ではなかなかお医者さんには聞きづらいですね。

自分で調べても、どれが正しいのかわからないということで、聞いて来られる方が多くいらっしゃいます。
精神科領域で一番多いのは「不眠」です。夜寝てくれなくて困るという訴えです。睡眠薬もどれを使っていいのかわからない、使ったとしてもどれぐらいたてば効果が出てくるのか、薬の評価の仕方もわからないなどの相談を受けることが多いです。

精神科に限らず薬に関する質問は多いです。睡眠薬をはじめ、抗不安薬、便秘や下痢に対する薬についての質問です。

――新型コロナウイルス感染症の脅威は、今や療養型や老人保健福祉施設などの介護施設にまで及び、かなり深刻化しているようですが・・・。

通常、私たちが遭遇する感染症では、主に感染力と毒性が問題になると思います。今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が普通の感染症と違うのは、社会的なさまざまな要素が複雑に絡み合っているという点です。もちろん活動の制限と社会経済活動との両立は大きな問題ですし、罹患してしまった方に対する差別や偏見などもあって、一層不安が広がっています。最も大事なのは、予防策に加えて、適切な対応さえすれば問題ないという安心感を与えられる情報だと思います。COVID-19に罹患してしまった後、どうなってしまうかがわからないことが、大きな不安につながっているのではないかと思います。

――介護施設ではCOVID-19以外のさまざまな感染症への対応に追われていますね。

毎年問題になるのはインフルエンザとノロウイルスです。さらに、施設によっては疥癬の発生も問題になります。これは皮膚にヒゼンダニが寄生することで発生し、介護者などのケアギバーが媒介になって広がってしまうという面もあります。こうした感染症に関して最も困るのが、インターネット等で調べる情報が膨大過ぎて、何が正しいのかわからないということです。これを見れば大丈夫という鍵になる情報が1つあればいいのに、それがどれかわからない。ガイドラインなども出てくるけれど文字ばかりで難しく内容も理解できないので、どう対応していいのかわからないという声が非常に多いですね。

――ドクターメイトでは、そうした質問に“対面”ではなく、オンラインを使って“チャット”でお答えしています。

もちろん、対面のよさというのはあると思います。ただ、やはり直接会いにいくとなると、そこにアクセスするための手間と時間がかかってしまいます。遠隔での相談であれば、本当に気になったときに、まさにその方に必要なそのときの情報をすぐに提供できます。そうした「コミュニケーションのしやすさ」という点で、オンラインでの医療相談は非常に意味があるのではないかと思っています。

――実際に利用されている方々からはどんな反響がありますか?

「非常にありがたく使わせていただいています」いうような声をいただいています。自分で本で調べようと思っても、なかなかそう専門的な情報を入手することは難しいのですね。インターネットで探しても、本当にこの症状がインターネットで紹介されている症状と同じかどうかわからない――。

そんなときに、専門の医師からすぐに意見と対応策を教えてもらえるということで、不安の解消にすぐにつながっているというような声をいただいています。

――介護施設や在宅ケアを行っている方々の情報リテラシーについては、いかがでしょうか。

情報リテラシーという面でも専門的な医学知識という面でも、看護師さんと介護職の方では違うような気がしています。さまざま教育的なバックグラウンドの方がいらっしゃいますので、よりわかりやすい表現方法で医学知識をお伝えするように心がけています。それは、一つは医師だけがわかるような医学用語を多用しないということ、そしてイラストやアニメーションを使ったわかりやすい動画などの教材をうまく使うことです。一方的な講義では言いっ放しになってしまいますが、動画配信ならば、受ける方のステージに合わせて聴講していただけるというメリットもあります。そもそも介護施設や在宅など、医師が常時いない状況で医療を担っているのは看護師さんです。看護師さんがスタッフや介護護の方々に教えられる仕組みを作っていかなければいけないと思っています。

――医療と看護・介護との関係についてお考えをお聞かせください。

医師の大半はそうですが、病院にいると介護の本当の“姿”が見えません。私は介護施設に実際にうかがってさまざまなことを学びました。そこで私が感じたのは、「介護ってアートだな」ということでした。利用者の方々のこれまでの人生があって、その線上に、その方の最期の姿があります。その方がその人らしく最期を迎えられるためにはどうしたらいいのだろうかと考えたとき、そこに“正解”はないと思います。まさに、介護の場には“アート”が必要なのですね。医療はある意味“テクニック”です。これからは、“介護のアートの部分”を支えるために“医療というテクニック”が必要になると思っています。

――介護施設や在宅ケアの場にいらっしゃる看護師、介護職に期待することは?

冒頭に申し上げたように、介護施設や在宅では、「生活に寄り添う」という点が最も重要だと思います。そのような視点をしっかり持っていただいて、利用者さんの“不安”を少しでも取り除いていただけるような援助をしていただきたいと思っています。私たちは、そうしたケアギバーの方々を少しでもサポートできればと考えています。安心して介護を提供できる場が作られれば、世の中がすごくよくなるのではないかと思っているのです。
私が医師になりたての頃、病院から退院した方が介護施設や在宅に戻っても、すぐに病院に帰ってきてしまうという現実に直面しました。そんな状況を見ていて思ったのは、これからの時代は、医療は病院だけで完結するものではないということでした。退院先の介護施設や在宅での「医療的サポート」が絶対に必要だと痛感したのです。どのような場にいても確実に医療や介護が受けられれば、最後まで安心して暮らせる社会が可能になるのではないかと思っています。

■医師による連載記事が始まります!

アルメディアWEBでは、介護施設や在宅で働く看護師・介護職の方々から寄せられる相談やその対処方法について紹介していく連載コーナーを新たに開設します。執筆はドクターメイトに所属する内科、皮膚科、精神科医師です。

【アルメディアWEB会員様限定記事です】近日公開予定!

1. 皮膚科医がよく受ける質問とその対処方法

2. 内科医がよく受ける質問とその対処方法

3. 精神科医がよく受ける質問とその対処方法

■ドクターメイト 介護施設の医療相談

  • ドクターメイトは、介護施設に医療相談チャットを提供しています。
  • 看護師や介護職がパソコンやタブレットなどで気軽に相談できるため、通院の時間と手間を軽減し、利用者だけでなくスタッフの負担を減らすこともできます。
  • 皮膚の状態などの電話では伝えにくい相談は、写真や動画で相談できます。
  • 回答するのは、現場で働く現役医師。顔が見え、信頼できるコミュニケーションが可能です。
  • DoctorMate

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