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日常生活指導のポイント
仕事(通勤・通学)

2015年5月公開

仕事(通勤・通学)は、ストーマ管理に少なからず影響するため、仕事の内容、勤務時間、通勤手段などの詳細を確認し、患者とともに対処方法を考えるとよい。

工夫や配慮をすれば、安心して仕事や勉学に集中できるため、復帰する前に環境調整しておくことがポイントとなる。

軽労働か重労働か以外に、室内外のいずれか、長時間座るかなど、発汗量や腹壁にしわが入りやすい状態が多いかなどの情報を得る。

例えば、大工や電気工事などでは重い工具を腰ベルトに携帯して作業し、腹ばい姿勢の作業もある。

農業では、トラクターなど重機器を使う場合と手作業の前かがみ姿勢が多い場合とでは、装具の安定性への影響が大きく異なる。

通勤・通学の時間や手段では、移動途中で排泄物を処理する場が確保できるかを確認する。

駅には必ずと言ってよいほどトイレがあるが(近年、ユニバーサルトイレの設置は増えている)、利用しやすい環境かどうか仕事に復帰する前に確認してもらう。

職種・職場によってはトイレへ行くための時間を確保できないことがあり、職場への理解を求めることが重要である。小児期においては、幼稚園や学校関係者の理解と協力が不可欠である。患者自身や家族の力だけでは環境が整えられない場合には、看護師や医師が支援する。

対処法

発汗量が多い、重労働などでは仕事中の負荷によって装具が剥がれないよう、皮膚保護剤の耐久性が高いもの、テープ付き、ストーマベルトが使える製品を選ぶ。

万が一に備えて、装具一式および下着1組を携帯する習慣を推奨する。