※パスワードの変更もこちらから
【この記事に関連するより新しいコンテンツがあります(2019年5月公開)】
2017年3月公開
照林社編集部
わが国の糖尿病患者は316万6,000人(平成26年患者調査の概況/厚生労働省)。平成23年の調査では270万人でしたから、3年間で46万6,000人も増えたことになります。「高血圧性疾患」1,011万人、「高脂血症」206万人、「心疾患」173万人、「がん」163万人と比べても、いかに糖尿病患者が多いかがわかります。糖尿病は50歳を超えると増え始め、70歳以上では男性の4人に1人、女性の6人に1人が糖尿病とみられています。死亡数も増えていて、平成26年の糖尿病による死亡数は1万4,000人弱となっています。
糖尿病の合併症の一つ糖尿病腎症は、重症化することによって透析患者が増えます。平成25年に透析治療を受けている人は31万4,000人にもなります。透析患者の「糖尿病足病変」の急増は見逃せません。糖尿病先進国であるアメリカでは糖尿病患者の15~25%が足潰瘍を経験し、適切な治療がなければ糖尿病足潰瘍の14~20%が切断に至ると言われています。わが国では、透析患者の1,000人のうち9.1人が四肢切断されていると言われています。
こうした現状を踏まえて、糖尿病足病変の患者さんが足趾切断に至らないための積極的なアプローチが求められています。国でも本格的にこの問題に取り組み始めました。平成28年度診療報酬改定で新設された「下肢末梢動脈疾患指導管理加算」は、透析クリニックですべての人工透析患者さんの下肢をチェックし、重症度の高い虚血のある患者さんを専門病院に紹介することで足趾切断に至らない方策をとるための新たな指導管理加算です。糖尿病の足についての基礎知識、そして下肢救済のための方策について紹介します。
~特集~ 糖尿病の「足」を救う 糖尿病足病変と救肢のためのアプローチ
©DEARCARE Co., Ltd.