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2018年9月公開
(4)注目を集めている認定看護師分野の再編・再構築の将来像
『エキスパートナース』編集部
現在、認定看護師の資格をもつ方々の関心が高いのは、認定看護分野の再編だと思われます。現行の21分野は、各分野の専門性や独自性を考慮して特定されてきたもので、時代が必要としてきたものですが、分野によっては希望者が減ってきたものもあります。そして、前述したように、医療・看護を取り巻く状況の急激な変化や医療提供の場の多様化を考慮すると、21分野の再編を進める必要性が出てきたのです。
日本看護協会では、協会内での横断的なプロジェクト、外部の有識者を加えた検討委員会で慎重に検討を続けています。認定看護師や看護管理者を対象とした調査、認定看護師教育機関への調査・ヒアリング、さらには関連学会へのヒアリングを行って、さまざまな意見を集約しています。そして、現在、4つの軸によって分野再編の道筋を考えています(表1)。こうした軸で整理し、その妥当性を検討し、現実にその構成で教育カリキュラムが組めるかどうかを検討しているところだといいます。
表1 認定看護分野の再編を進めるときに考慮する4つの軸
1.成長・発達段階
●小児~高齢者 ●成人~高齢者 ●新生児期~小児期 など |
2.対象とする疾患
●いわゆる5疾病5事業+今後増加することが予測される疾患 (「がん」「心疾患」「呼吸器疾患」「腎障害」「認知症」など) |
3.病期
●超急性期~急性期 ●周手術期 など |
4.認定看護師の活動の場
●急性期医療施設 ●在宅 など |
協会が慎重に検討を続けている背景には、現在の認定看護師が診療報酬上の施設基準要件を満たしているなど、現場に不可欠な存在になっているという状況があります。さらに、病院の広告可能な分野もあり、さまざまな方面との具体的な調整が必要になっています。こうして動き始めた認定看護師分野の再編成においては、今後の成り行きがますます注目されます。
参考文献
1.荒木暁子:認定看護師制度の再構築とこれからの日本看護協会の取り組み.看護2018;70(7):32-34.
2.荒木暁子:新たなステージに入った認定看護師制度.エキスパートナース2018;34(11):82-90.
3.公益社団法人日本看護協会:平成30年度日本看護協会通常総会資料.2018.6.12.
4.日本看護協会ホームページ「認定看護師制度の再構築」.
http://www.nurse.or.jp/nursing/cn/index.html
(2018.8.20アクセス)
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