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2019年9月公開
『エキスパートナース』編集部
監修:大桑麻由美
金沢大学医薬保健研究域保健学系看護科
学領域臨床実践看護学講座 教授(2019年9月現在)
失禁ケアにおいては、排尿自立指導料が保険収載されたことにより膀胱留置カテーテルの早期抜去が進み、患者QOLは非常に向上したといえます。一方で、超高齢化が進み寝たきり患者が増えてきたことに伴い、失禁関連皮膚炎(IAD:アイエーディー、incontinence-associated dermatitis)を有する患者さんが増えています。IADは、尿または便(あるいはその両方)が皮膚に接触することによって生じる皮膚炎です。疼痛を伴い、患者さんの苦痛は甚大であることから、IADの予防と早期解決が重要です。
近年では、IADは単なる接触皮膚炎ではなく、皮膚の浸軟によるバリア機能の破綻に伴い、排泄物に含まれる消化酵素や細菌が真皮組織の内部に流入することによって組織傷害が生じていることが明らかになってきました。そのため、IADのケアにおいては、予防的なケアが特に重要だといえます。
日本創傷・オストミー・失禁管理学会は、IADのアセスメントに有用な重症度評価スケール『IAD-set』を作成しました。これに基づいた評価により、適切なケアを導くことが期待されています。
本特集では、日本創傷・オストミー・失禁管理学会が示している『IAD-setに基づくIADの予防と管理 IADベストプラクティス』を参考に、IADの基本的な知識から予防・ケアの実際について紹介します。詳細は、同学会のホームページをご覧いただくか、同名の書籍をお読みください。
●日本創傷・オストミー・失禁管理学会のホームページ
http://www.jwocm.org/pdf/IAD-best_practice.pdf
●書籍『IAD-setに基づくIADの予防と管理 IADベストプラクティス』
編:一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会
http://www.shorinsha.co.jp/detail.php?bt=0&isbn=9784796524520
本体800円+税、A4判・40頁
照林社発行
©DEARCARE Co., Ltd.