2015年5月公開
あなたのお子さんにストーマをつくると説明をお聞きになったときはずいぶんと心が痛んだのではないでしょうか? 私は20年間、小児病院でストーマを専門にケアするナースとして多くのストーマをつくったお子さんとそのご家族にお会いしてきました。そして、目の前でつらい静かな涙をたくさん、見てまいりました。
しかし、子どもの力はすごいですね。悲しそうな表情の親を励ますかのように、日々かわいらしく成長して、勇気を与えてくれたのではないでしょうか?ストーマを造る必要のある病気は一般的には知られておりません。そのためにご自分の子どもがとてつもなく悪質な障害をもって生まれてきたと強い衝撃を受けられた方も多いのではないでしょうか?
東京のように人口の多い地域の小児病院では珍しい病気ではありませんが、地方では件数が少なく、病院の医療者も適切な子どものストーマケアを提供できていないのが現状です。
私はストーマを持つ子どもたちが日本のどこの地域に誕生しても、適切なサポートを得られるよう、ナースの専門教育活動に携わってまいりました。このたび、アルケア株式会社で数の少ない子どものストーマをテーマにホームページを作ってくださるという提案に心から感謝しております。多くの方に正しい情報の提供がなされ、お子さまの成長や生活上の不安の軽減につながることでしょう。
ストーマをもったお子さんのご家族にメッセージを送ります。
「あなたのお子さまにストーマがつくられる病気になったのは誰のせいでもありません。これらの病気の原因は不明でけっして遺伝ではありません。お子さんがお母様のおなかの中で成長する過程で少しだけ、成長しきれなかった部分があっただけです。その部分を誕生してから、手術や治療でサポートするだけです。お子さんは他の子どもと同じように健やかにすばらしい人生が送れるはずです。コンプレックスを感じることなく、自信を持って、お子様の成長を見守りましょう。」
溝上 祐子
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