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2017年12月公開
『エキスパートナース』編集部
わが国の褥瘡予防・治療・ケアは、日本褥瘡学会が策定した「褥瘡予防・管理ガイドライン」に沿ってエビデンスに基づいた科学的な方法を行うことがスタンダードとなっています。ガイドラインはCQ(Clinical Question:臨床上の問題)に沿って、最新エビデンスを示し、推奨度を明らかにして、治療・予防・ケア方法の指標を示しています。ガイドラインの目的は、全国どこの病院でも、誰が行っても、同じレベルの質の治療・ケアが保証されることです。ただ、褥瘡に限らず、多くの疾患の治療・ケアの対象は個別性に富んでいます。標準的な方法を行いながらも、患者個々の個別性に応じた治療・ケアを行うことが、医療従事者には求められます。
褥瘡の保存的治療は、主に「外用薬」と「ドレッシング材」によって行われます。外用薬療法は医師が処方し施行する治療法ですが、ドレッシング材は主に看護師が主体的に選んでケアに役立てます。ただ、皮膚・排泄ケア認定看護師のように専門性の高い看護師は、医師から信頼されることも多く、外用薬も含めた保存的治療を中心になって行っているのが現状でしょう。もちろん、すべての看護行為は、医師の指示の下に行われるのが原則ですが、褥瘡治療・ケアにおいては看護師の主体性に任されることが多いことも事実です。このようにして行われている現場の医療従事者の声を反映して、ドレッシング材はさまざまな素材・機序のものが開発されて適用が広がり、現場で使われて効果を上げています。
この特集では、主にナースが取り扱うことが多いドレッシング材の基本と選び方について、ガイドラインに基づいた大原則を基本として、褥瘡の状態・状況別に、現場ですぐに役立つ内容を紹介します。全体の監修を、溝上祐子先生(公益社団法人日本看護協会看護研修学校認定看護師教育課程長)にお願いしました。
参考文献
1. 日本褥瘡学会:褥瘡ガイドブック-第2版.照林社,東京,2015.
2. 溝上祐子編:褥瘡・創傷におけるドレッシング材・外用薬の選び方・使い方.エキスパートナース2015;31(6).
3. 館正弘監修:褥瘡治療・ケアの「こんなときどうする?」.照林社,東京,2015.
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