2024年8月公開
2.在宅でよく使うドレッシング材の選び方と貼り方
Key point
- ドレッシング材は皮膚や創傷のアセスメントを行い、適切に選択・使用する。
- 各ドレッシング材の機能や特徴を理解し、滲出液の量などによって使い分ける。
- スキントラブルを防ぐため、ドレッシング材を貼付する前にはスキンケアを行い、はがすときは皮膚を損傷しないように注意する。
日本褥瘡学会では、ドレッシング材は「湿潤環境を維持して創傷治癒に最適な環境を提供する医療材料であり、創傷の状態や滲出液の量によって使い分ける必要がある」1と定義しています。創傷の治癒を促進するためには、創傷の状態に応じたドレッシング材の選択が必要です。
在宅で創傷ケアやスキンケアに用いる用品は、療養者の皮膚状態や取り扱う人を理解したうえで、その家で継続できる最善のケア用品を療養者本人・家族と一緒に考え、選ぶことが大切です。
1.在宅でドレッシング材を使用する際のポイント
ドレッシング材の選び方・使い方は病院でも在宅でも同じです。
ケアにあたっては、皮膚や創傷のアセスメントを行い、状態に応じたドレッシング材を選択し、適切に使用することが求められます。
●皮膚のアセスメントを行うのは誰かを明確にする
褥瘡などの創傷を有する場合、皮膚や創部の状態やケア方法は、医療者による定期的なアセスメントが大切です。ドレッシング材を用いたケアを行っている場合は、感染リスクを考えたうえで評価し、状態に応じて適宜ケアを変更することも必要です。
ドレッシング材の交換を家族が行う場合
ケアを行う家族は非医療者であるため、理解力、知識、技術などを確認したうえで、安全で確実なケア方法を検討します。
- ドレッシング材の交換時期をあらかじめ決めておく。
ドレッシング材の交換時期は、創面や創周囲皮膚の状態、滲出液の量、推奨される交換日数などによって決めておきます。しかし、多量な滲出液の漏出や出血、臭気、疼痛や掻痒感などがみられた場合や、家族がいつもと状態が変わっていると気づく場合もあります。早急な対応が行えるように、すみやかに連絡や相談ができる体制を整えておきましょう。
- ケアを行う家族には、ドレッシング材の使用方法、管理方法、ドレッシング材の観察ポイント、創部の観察ポイントなどを実演しながら指導する。
2.在宅療養者におけるドレッシング材の選び方・使い方のポイント
ドレッシング材は、人の皮膚に使用する衛生材料です。選択する際には、以下の点に考慮して使用しましょう。
- ドレッシング材の特徴を踏まえたうえで、療養者の皮膚状態に応じて選択する。ケアを行う人が取り扱いやすい製品を撰択するとよい。
- ケアを行う人についてのアセスメントも大切。以下の点をチェックする。
・ドレッシング材を取り扱う際の手指の巧緻性
・ドレッシング材がシワになったり、創部の位置から外れたりせずに貼付できる視力
・手指の麻痺、しびれなどの有無や程度
- 粘着剤によるスキントラブルやテープ-テアが生じた場合の対処方法や、連絡・相談先を明確にし、体制を整える。
3.ドレッシング材の機能と特徴
ドレッシング材にはさまざまな種類があるため、それぞれの機能や特徴を理解したうえで、滲出液の量などを目安に使い分けをします。
例えば、滲出液量の多い創面に吸水作用の少ないドレッシング材を使用すると、過湿潤となります。一方、滲出液の少ない創面に吸水作用の多いドレッシング材を使用すると、乾燥傾向となります。それにより、ドレッシング材が創面に固着するなどの影響があります。
在宅療養者の脆弱な皮膚にドレッシング材を使用する際は、創部の状態に合った、その家で安全に使用できる製品を選択しましょう。図1に、DESIGN-R®2020に基づいたドレッシング材の選択を示します。
- 創面を閉鎖して湿潤環境を形成する
-
気体は通しますが、水分や細菌の侵入を防止します。カバードレッシングや他のドレッシング材の固定、創面の保護を目的とした選択が可能です。
図2ポリウレタンフィルムを貼るときのコツ
閉塞性の湿潤環境を形成。血管新生促進と細胞遊走を妨げない環境をつくります。サイズは、
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