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2019年4月公開
(3)便排出障害の患者に大腸刺激性下剤を使用していないか
畠山 誠
医療法人札幌ハートセンター
札幌心臓血管クリニック、皮膚・排泄ケア認定看護師
「あの患者さん、栓が取れたら下痢したね」――看護師なら一度は聞いたことがある言葉でしょう。これは、実は下痢をしたのは患者さんの責任ではなく、ケアをしている看護師側に問題がある可能性が高いのですが、それが十分に理解されていないのが現状です。
この悲しいフレーズを解説してみると、「機能性便排出障害の患者さんに、便秘だからと病態を考慮せずに、直腸には作用しない大腸刺激性下剤を投与した。翌日になっても当然便は出ないので浣腸や坐薬を使ったら、大腸刺激性下剤の悪影響で本来溜めておくべき便が出てしまった (おむつの外まで下痢をしてシーツ交換が大変だった)」ということになります。
機能性便排出障害は、直腸まで下降してきた便を排出できないために起こる症状です。大腸刺激性下剤には、直接的に直腸を刺激して便の排出を促す効果はないので、このケースでの下剤は効果がないばかりか下痢という悪影響が強かったという判断になります。
患者さんの排便がないなと気づいたときには、
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