※パスワードの変更もこちらから
2020年9月公開
執筆:大誠会認知症サポートチーム
2016年度診療報酬改定で新設された「認知症ケア加算」は、2020年度改定では、さらに多くの施設で申請しやすいように3段階の診療報酬になりました。当初からこの加算で注目されていたのが、「身体拘束をした場合に減算される」という減算要件でした。身体拘束を実施した日は6割の点数しかとれないというものです。これは、認知症医療・ケアの場では、「身体拘束しない看護」が必須であることを国が明らかにした画期的なことでした。現に、2016年に全日本病院協会が行った調査では、点滴・チューブ類を抜こうとする患者に対して身体拘束を行っていた病院は70.8%もあったのです。
2019年NHK「クローズアップ現代プラス」は、身体拘束の実態とその是非について特集をしました。番組放映後には局にもSNSにも非常に多くの意見が寄せられたといいます。「私たちだってやりたくて拘束しているわけじゃない」「人手が足りない現場で、自己抜去などを防いで患者さんの安全を守るために仕方なく・・・」などの声が圧倒的でした。そこで、NHKでは急遽、第2弾を企画して、それらの意見のナースに身体拘束ゼロを実現している病院に行ってもらい、その看護を体験してもらいました。その病院が群馬県沼田市にある大誠会内田病院でした。理事長の田中志子(ゆきこ)・医師は、「身体拘束廃止に必要なのは、身体拘束についての正しい知識を身につけて、身体拘束廃止のための“技術”を磨き、身体拘束をしないと決める態度(心)を身につけることです」と言います。この特集では、身体拘束廃止のための“技術”=“テクニック”に焦点を当てて紹介します。
なお、詳しい内容は下記書籍でわかりやすく紹介されています。
「身体拘束ゼロの認知症医療・ケア」
監修:山口晴保(大誠会内田病院顧問)、田中志子(大誠会内田病院理事長)
執筆:大誠会認知症サポートチーム
オールカラー 84頁
発行・照林社
©DEARCARE Co., Ltd.