※パスワードの変更もこちらから
2023年10月公開
酸素療法の特徴と適応
畑 凌矢
Footage訪問看護ステーション 名城公園 管理者
中島 真也
同 訪問看護師
畑 凌矢
Footage訪問看護ステーション 名城公園 管理者
中島 真也
同 訪問看護師
そもそも、酸素療法とはどのようなものでしょう。
酸素療法の目的は、低酸素症の患者に室内の空気(酸素濃度21%)より高い濃度の酸素を吸入させることで、低下した動脈血酸素分圧(PaO2)を上昇させ、低酸素状態に陥った組織へ酸素を供給することです。これによって、低酸素血症によって引き起こされた換気亢進や心拍数増加を抑制し、肺や心臓への負担を軽減することができます。
酸素療法は、表1のような状態で適応になります。
表1 酸素療法の適応
酸素療法の開始や、酸素流量、投与方法などを決定する際には、PaO2またはSpO2が判断基準となります。また、酸素療法中は、細胞レベルでの適切な酸素化を維持するためにSpO2のモニタリング、ヘモグロビン濃度、心拍出量、組織血流量にも注意して観察を行う必要があります。
酸素療法が必要となる低酸素血症では、呼吸困難、不整脈、言語障害、意識障害を認めることがあるため、
①呼吸状態や循環状態、意識状態を含めた臨床評価
②血液ガス検査またはSpO2の評価
③酸素中毒の徴候
を評価します。酸素流量5L/分以下でのマスクの使用による呼気ガス再呼吸や、過剰な酸素投与で引き起こされるCO2ナルコーシス、脳や肺の酸素中毒、無気肺などの副作用にも注意が必要です。
酸素投与器具は、低流量システム、高流量システム、リザーバシステムに分類されます。「低流量」や「高流量」とは酸素流量の大小を意味しておらず、患者が必要とする1回換気量を超える酸素と空気の混合ガスの供給量を意味しています(図3)。HFNCは、前述したように、高流量システムの1つです。
図3 酸素投与方法
| 低流量システム | ①鼻カニュラ ②簡易酸素マスク ③オキシアーム ④経皮気管内カテーテル |
| 高流量システム | ①ベンチュリマスク ②ネブライザー式酸素吸入装置 ③高流量ネブライザー式酸素吸入装置(ハイホーネブライザー®) ④高流量鼻カニュラ(HFNC) |
| リザーバシステム | ①リザーバ付マスク ②リザーバ付き鼻カニュラ、ペンダント型リザーバ付鼻カニュラ |
通常、
ご登録された会員メールアドレスとパスワードを入力して、「ログイン」を押してください。
ログイン
©DEARCARE Co., Ltd.



