Part10腹膜透析患者のリスクアセスメント
：看護師はどんな点をどうみるか

腹膜透析患者にとって最も大きなリスクは生命の危機状態に陥ること、そして腹膜透析の継続が困難になることと考えられます。ここでは、腹膜透析の継続を困難にする要因をどうアセスメントするかについて解説します。

腹膜透析の継続を困難にする要因と観察項目を図1に示しました。この中の主な要因について述べていきます。

腹膜透析関連腹膜炎は、腹膜機能低下、カテーテル抜去や血液透析への移行、被囊性腹膜硬化症（encapsulating peritoneal sclerosis：EPS）への進展、死亡の原因となるため、予防と早期治療が重要です。外因性感染と内因性感染に分けられ、外因性感染の原因はバッグ交換手技や操作上のミス、出口部感染、皮下トンネル感染からの波及などです。また、内因性感染は、憩室炎などからの菌の移行、経腟感染、血行感染などです¹。出口部や皮下トンネルの感染が進展すると、カテーテル抜去や致死的な難治性腹膜炎につながるため、可及的な予防と早期対応が重要です²。