Part11腹膜透析患者の日常ケアの実際
：ナース（特に訪問看護師）に期待される役割

Assisted PDとは、身体および認知機能の低下によって自分で腹膜透析治療・管理ができなくても、家族や医療者からの支援を受けながら腹膜透析治療・管理を継続していく方法のことです。高齢化する腹膜透析患者の透析実態に関するアンケート調査によると、PDの注排液を本人だけで実施できない場合、配偶者による介助は42.5％、子どもによる介助36.0％、親族による注排液が80％以上と報告されています¹。訪問看護師による注排液は15.0％でした。今後は、患者とその配偶者の高齢化も同時に進んでいきます。また、単独世帯数が増加し、2025年には全単独世帯に対する高齢者単独世帯の割合が40％近くになると予測されています。そのため、親族による腹膜透析のサポートは難しくなることが予想されるため、訪問看護師等による注排液が主流になると考えられます。Assisted PDの主な担い手は訪問看護師になるといえそうです。

維持期にある腹膜透析患者が療養生活で感じる困難さを明らかにした報告では、以下のような困難さを感じていることが明らかになっています²。

• 仕事への支障や外出、旅行時の支障など社会活動時における支障
• 自動腹膜灌流装置の使用に伴う睡眠障害
• 感染予防に配慮した清潔行動に対する負担感や拒否感
• 高リン血症治療薬による消化器症状の出現や排便調整の難しさ
• 服装の変更によるボディイメージの変化
• 出口部トラブルの継続
• 食事療法による成果をえられないこと

患者・家族のニーズや困り事は多様ですが、