利用者の急な状態変化にも慌てず対応するためのエッセンスをぎゅっと凝縮
医療法人社団 YAYOI
やよい在宅クリニック
やよい訪問看護ステーション
(管理者)、看護部長
診療看護師/ナース・プラクティショナー
野呂 美香 先生
2025年4月公開
在宅での急変は、本当に急変なのでしょうか? 実際は、現病歴や直近の様子から予想できる場合が多くあります。例を挙げて考えてみましょう。
【例:心不全の利用者の救急搬送】
心不全の利用者が最近徐々に体重増加があり、浮腫の増悪を認めた。経過をみていたが、高血圧も重なり、ついに心不全が増悪し救急搬送となった。搬送時、浮腫の増悪に加え、呼吸苦が出現し、SpO2低下もみられた。また、尿量の減少もみとめられた。
この症例の場合は、体重の増加や浮腫(図1)が認められた段階で、心不全の増悪を懸念すべきでしょう。心不全の増悪をきたすリスクが高く、早期に心機能の評価や利尿薬の追加などを検討してもよい事例です。
しかし、在宅で初めて訪問したスタッフが、その変化に気づけるでしょうか。おそらく、なかなか難しいと言わざるを得ません。少し気になったとしても、その場で周囲に声をかけてちょっと先輩が確認に行く、といった、病院のようなダブルチェックは、在宅ではなかなかできません。したがって、体重の推移や下腿の浮腫の経過を継続的に評価できるシステムが必要です。
例えば、心不全手帳の記載を指導し、訪問ごとに下腿の写真を同じアングルで撮影しカルテに添付、評価をしていくことなどが挙げられます。また、体調変化の予兆があった際には、緊急事態に備えて早期対応を開始する必要があります。医師への報告、内服薬の調整の依頼、食事の内容の再評価、採血結果の見直しなどです。
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