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ちょっとした刺激でできてしまう皮膚裂傷、スキン-テアって知ってる?
2018年5月公開
(4)スキン-テアのリスク要因とアセスメント法
スキン-テアの発生要因には、個体要因と外力発生要因があります。個体要因は「全身状態」と「皮膚状態」に分けられます(表1)。加齢や低活動性、そして皮膚の脆弱化を促すさまざまな治療は全身状態の要因です。皮膚状態では、乾燥や浮腫などの他に、「ティッシュペーパー様」の状態が挙げられています。菲薄化してかさかさした状態で、高齢者に多く見られる、スキン-テアに特徴的な皮膚の状態です。
表1 スキン-テアの個体要因
全身状態 |
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皮膚状態 |
|
一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会:ベストプラクティス スキン-テア(皮膚裂傷)の予防と管理.照林社,東京,2015:19.より改変して引用
外力発生要因は、「患者行動」と「管理状況」に分けられます(表2)。患者行動というのは、患者が何かの動きをした際に摩擦やずれが生じる場合です。ベッド柵や車椅子にぶつけたり、不穏行動などが当たります。スキン-テアに特徴的なのが「管理状況」です。これはケアによって摩擦やずれが生じる場合で、体位変換や移動の介助、リハビリテーションなどの際に起こるスキン-テアです。特に、医療用テープの剥離時に起こるスキン-テアは「テープテア」といって、臨床では最もよく起こるものです(図1)。
表2 スキン-テアの外力発生要因
患者行動 |
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管理状況 |
|
一般社団法人日本創傷・オストミー・失禁管理学会:ベストプラクティス スキン-テア(皮膚裂傷)の予防と管理.照林社,東京,2015:19.より改変して引用
図1 テープテアの例(上肢)
医療用テープの剥離後に発生した(写真提供:小林直美氏)
©DEARCARE Co., Ltd.