2024年8月公開
Key point
スキン-テアは、主に高齢者に発生する皮膚損傷で、摩擦やずれによって皮膚が裂けて生じる真皮深層までの損傷です。スキン-テアは、強い痛みを伴い、治りにくく再発しやすいという特徴もあります。療養者の一番近くで介護する家族にとって、スキン-テアの痛みに苦しむ家族の姿を見ることはつらく、その介護は悲しいものです。
そのため、わたしたちはスキン‐テアを理解し、予防的なケアを実践・継続することが大切です。
スキン-テアは、75歳以上の後期高齢者、日常生活自立度ランクC2に多く、両上肢に多くみられるという特徴があります。特に以下の状態にある人は要注意です。
皮膚は加齢により脆弱化し、わずかな摩擦やずれでもスキン-テアが生じやすくなります。
過去のスキン-テアの既往、現在のスキン-テアの保有を本人や家族に確認しましょう。皮膚には、スキン-テアが治癒した後に認める「白い線状や白い星状の瘢痕」があるかを確認します。
ドライスキンは、皮膚の柔軟性が低下して硬く脆くなり、水分量が減少した状態で、皮膚のバリア機能が低下しています。
浮腫ができると、皮膚にたまった水で表皮や角質が押し上げられて薄くなり、浮腫によって皮脂腺の数が減少してドライスキンが生じやすい状態となります。
加齢による血管の老化が原因で、軽微な外力でも皮下に出血を起こし、紫斑を生じます。抗凝固薬服用中の療養者によくみられます。
皮膚がティッシュペーパーのように白くカサカサしていて、とても薄い状態です。長期間ステロイド薬を内服している高齢の療養者に多くみられます。
また、患者行動・管理状況を確認することもアセスメントのポイントになります。
患者行動には、痙攣・不随意運動、不穏行動、物にぶつかるなどがあります。
管理状況には、体位変換や移動介助、清潔ケア介助、更衣の介助、医療用テープの貼付、器具(抑制帯、医療用リストバンドなど)の使用、リハビリテーションの実施などがあります。特に、在宅高齢者は、ケアを家族や他者に委ねることが多くなります。介護の場面、居室の環境、ケアの介助など、毎日の生活の場面で生じる摩擦やずれを確認することが必要です。
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