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2021年3月公開
長瀬亜岐
公益財団法人日本生命済生会
日本生命病院 看護部
診療看護師(2021年1月現在)
看護師は、薬を直接患者に与薬するという大きな責務があります。しかし、医師の処方指示に基づき適切な量を時間通りに患者に与薬するといった役割にとらわれ過ぎているきらいはないでしょうか。入院患者に対して「疼痛時」「発熱時」「不眠時」等の画一的な約束指示があることは、医師・看護師双方にとって業務の効率性を考えたときメリットになります。しかし、特に高齢者の場合は既往・併存疾患の有無、臓器機能の低下を含めて個別性が大きいため、約束指示の薬を本当に使用しても大丈夫なのだろうかと、ナースプラクティショナー養成課程で薬理学の教育を受けてから、よりいっそう慎重に考えるようになりました。
現在、急性期病院では病棟薬剤師が配置されており、いつでも薬の相談ができるようになっている病院も多いと思います。しかしながら、高齢者施設や訪問看護の場においては、処方している医師も近くにおらず、すぐに相談できる薬剤師もいないため、薬に関する看護師自身の知識がより一層必要になるように思われます。そこで、この特集では、看護師視点での薬の見方についてお伝えしたいと思います。
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