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2021年3月公開
(3)服薬アドヒアランスの低下と看護師の役割
長瀬亜岐
公益財団法人日本生命済生会 日本生命病院 看護部
診療看護師
訪問看護師から「薬はタンスの肥やし状態」「押入れや棚に大事にしまわれている」と聞くと、“服薬アドヒアランスの低下”という医学用語が思い浮かぶかもしれませんが、私たち看護師は、高齢者にとって薬がもつ価値や意味について本当に把握できているでしょうか?
高齢者が服薬していないのには、さまざまな理由があります。
看護師は、「なぜ飲まないのですか」とつい言ってしまいがちですが、前述した例のような場合、「薬がこれだけあると飲むのが大変じゃないですか?」と、気持ちに寄り添って尋ねてみてはどうでしょうか?「そうなの! 大変なんです」「薬を見るだけでお腹いっぱいです」とほっとされます。気持ちに寄り添うことで初めて飲めない本当の理由を話してくれるのです。
「いざというときに取っておく」と、お守りのように棚や箱の中にしまっていたり、
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