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2021年3月公開
おわりに
長瀬亜岐
公益財団法人日本生命済生会 日本生命病院 看護部
診療看護師
高齢者の薬に関する基本は、「その必要性をよく相談した上で、最小限の投薬をする」ということです。在宅の高齢者によっては、何年も前の薬がそのまま使用されずにとってあることもよくあります。家族やケアスタッフが、本人のためと思って必死に薬を飲ませようとして、疲弊してしまうこともあります。食事に薬を混ぜてなんとか飲ませようとした結果、高齢者が食事を食べなくなってしまうこともあります。一方で、家族ならではの工夫をしながら、服用をスムーズにしているような実践もあります。看護師は、それらの実態を含めて、薬が高齢者の生活にどのような影響をもたらしているのかという視点をもち、薬についての学びを深めていただきたいと思います。
看護師は24時間365日、高齢者(患者・利用者)に伴走する立場にいます。生活そのものをみているからこそ、高齢者の薬に関する声を聞き、それを医師や薬剤師に伝えて調整していくことが重要な役割になります。患者の権利を擁護し代弁するアドボゲーターである看護師だからこそ、それができるのです。
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