※パスワードの変更もこちらから
2023年1月更新(2021年4月公開)
褥瘡状態評価スケール「DESIGN-R®(デザインアール)」は診療報酬上でも必須
最新ガイドライン、DESIGN-R®2020に基づく 新 まるわかり褥瘡ケア
『エキスパートナース』編集部
ナースにとって、褥瘡のアセスメントを行うことは日常のルーチン業務の1つになっています。それは、医療機関の診療報酬の中に組み込まれているからです。褥瘡対策は、2002年に「褥瘡対策未実施減算」としてスタートしましたが、その後、2012年度の診療報酬改定で、入院基本料の算定要件に組み込まれました。病院がその収入のべースとなる入院基本料を届け出る際には、「入院診療計画」「院内感染防止対策」「医療安全管理体制」「褥瘡対策及び栄養管理体制の整備」が必須となっています。つまり、感染対策、医療安全対策、栄養管理対策と並んで褥瘡対策は、医療機関であればどこでも最低限行わなければならない対策の1つになっているということです。
その際の「入院基本料等の施設基準」として、「日常生活の自立度が低い入院患者」について、「褥瘡に関する危険因子の評価」を行うことが必須となっています。その評価のスケールが「DESIGN-R®」とされ、合計点を出すことになっています(表1)。その他に、診療報酬上でDESIGN-R®が必要とされる項目として表2のようなものが挙げられます。
表1 「褥瘡対策に関する診療計画書」におけるDESIGN-R®
「通知 平成30年3月5日 保医発0305第2号「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別添6別紙3より引用
表2 診療報酬上でDESIGN-R®が必要とされる項目
|
このうち「ADL維持向上等体制加算の施設基準」のアウトカム評価である「褥瘡対策に係る報告書」の中では、「褥瘡の重症度」(d1~DU)別に、「入院時の褥瘡」「院内発生した褥瘡」の患者数を記載することになっています(表3)。
また、療養病床、有床診療所の「褥瘡評価実施加算1,2」の「褥瘡対策に関する評価」では、「褥瘡の状態の評価」としてDESIGN-R®を使用し、評価日ごとにDESIGN-R®の合計点を記載することになっています(表4)。
表3 「ADL維持向上等体制加算の施設基準」の「褥瘡対策に係る報告書」での記載
「通知 平成30年3月5日 保医発0305第2号「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」様式5の4より引用
注:表中③は褥瘡保有者数のうち入院時に既に褥瘡を有していた患者数、④は褥瘡保有者数のうち入院中に新たに褥瘡が発生した患者数
表4 療養病床、有床診療所の「褥瘡評価実施加算1,2」の「褥瘡対策に関する評価」での記載
「通知 平成30年3月5日 保医発0305第2号「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別紙様式46より引用
このように、褥瘡の状態評価のために「DESIGN-R®」ツールを使ってその経過を追うことが、現場のナースには求められています。そして、地域・在宅へと褥瘡ケアを継続していくためにも、多くの職種が共通して使うことのできる評価ツールである「DESIGN-R®」が必須なのです。
©DEARCARE Co., Ltd.