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2021年7月公開
科学的介護情報システム(LIFE)の活用でケアの質向上へ
『エキスパートナース』編集部
厚生労働省が運用している「通所・訪問リハビリテーションデータ収集システム(VISIT)」と「高齢者の状態やケアの内容等データ収集システム(CHASE)」が、令和3(2021)年4月1日から一体化され、「科学的介護情報システム(LIFE)」として運用がスタートしました。
LIFEは、利用者の基本的な情報(既往歴、服薬情報、ADLなど)および各分野の情報(口腔・栄養、認知症など)を収集し、そこからのフィードバックを活用してケアの質向上につなげることを目的としています。今回の改定では、このLIFEへのデータ提出を算定要件とするよう、見直しが多く行われました。
図 LIFEを活用したPDCAサイクル(イメージ)
厚生労働省:「科学的介護情報システム(LIFE)」の活用等について.
表 LIFEの活用等が要件として含まれる加算
科学的介護推進体制加算・(Ⅰ)・(Ⅱ)
個別機能訓練加算(Ⅱ)
ADL維持等加算(Ⅰ)・(Ⅱ)
リハビリテーションマネジメント計画書情報加算
リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ・(B)ロ
理学療法、作業療法及び言語聴覚療法に係る加算
褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)・(Ⅱ)
褥瘡対策指導管理(Ⅱ)
排せつ支援加算(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)
自立支援促進加算
かかりつけ医連携薬剤調整加算(Ⅱ)・(Ⅲ)
薬剤管理指導
栄養アセスメント加算
栄養マネジメント強化加算
口腔衛生管理加算(Ⅱ)
口腔機能向上加算(Ⅱ)
*対象となる施設、サービスは個々に異なる
このLIFEへのデータ提出自体が算定要件となっている加算として新設されたのが、科学的介護推進体制加算です。
科学的介護推進体制加算(Ⅰ)40単位/月
科学的介護推進体制加算(Ⅱ)60単位/月
※介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護は50単位/月
科学的介護推進体制加算 40単位/月
〔算定要件〕
イ 入所者・利用者ごとの、ADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況その他の入所者の心身の状況等に係る基本的な情報(科学的介護推進体制加算(Ⅱ)では、加えて疾病の状況や服薬情報等の情報)を、厚生労働省に提出していること。※介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設については服薬情報の提出を求めない。
ロ 必要に応じてサービス計画を見直すなど、サービスの提供に当たって、上記の情報その他サービスを適切かつ有効に提供するために必要な情報を活用していること。
LIFEへのデータ提出頻度は加算によって算定要件が異なりますが、初回算定時に加え、少なくとも3~6か月に1回は提出することが求められています。
なお、厚生労働省は、加算等による評価の有無にかかわらず、LIFEの利活用の推進を目指しており、介護分野へのデータ活用は今後ますます推進されると考えられます。入力の負担増やミスを心配されるスタッフもいらっしゃると思いますが、施設で使用しているシステムとcsvファイルを使っての連携が可能な場合もあるため、確認してみるとよいでしょう。
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