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2023年10月公開
呼吸不全に対する酸素療法
畑 凌矢
Footage訪問看護ステーション 名城公園 管理者
中島 真也
同 訪問看護師
畑 凌矢
Footage訪問看護ステーション 名城公園 管理者
中島 真也
同 訪問看護師
呼吸不全は、PaCO2(動脈血二酸化炭素分圧)の値により45Torr以下のⅠ型呼吸不全と45Torrを超えるⅡ型呼吸不全に分けられます。酸素投与の適応は、一般的に、SpO294%(≒PaO2(動脈血酸素分圧)75Torr)未満となります。ただし、Ⅱ型呼吸不全で慢性呼吸不全の急性増悪の場合はSpO288%未満あるいはPaO255Torr以下を酸素投与の適応とする場合もあります。
また、低酸素血症の症状や身体所見(判断力の低下、混迷、意識消失、不整脈、頻脈あるいは徐脈、血管拡張、血圧低下、中心性チアノーゼ)を認め、低酸素血症が疑われる場合や、低酸素血症へ進行する危険性が高い場合は、低酸素血症の確認ができなくても酸素投与を開始する必要があります(図1)。
一般的な目標は、SpO294~98%で、Ⅱ型呼吸不全の危険性がある場合はSpO288~92%です。pHは7.35以上を維持する導入時の酸素流量はパルスオキシメータがあれば上記を目標とし、パルスオキシメータがない場合はPaO2が80Torr前後を目標とします。Ⅱ型呼吸不全で慢性呼吸不全の急性増悪である場合は、酸素化とともに換気状態に留意する必要があります。
図1 急性低酸素血症患者への酸素処方
※:高流量鼻カニュラ酸素療法は、NPPV の代替え、あるいは、NPPV受け入れ・施行困難時に検討してよい。
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 酸素療法マニュアル作成委員会,日本呼吸器学会 肺生理専門委員会編:酸素療法マニュアル(酸素療法ガイドライン 改訂版).日本呼吸ケア・リハビリテーション学会・日本呼吸器学会,東京,2017:18.より引用
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