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2021年2月公開
看護師が行う静脈注射の範囲とは
執筆:『エキスパートナース』編集部
看護師が静脈注射を安全・安楽に行うために、日本看護協会では、看護師の静脈注射の実施範囲を4つのレベルに分けて示しています(表1)。
「レベル1」は、臨時応急の場合で、緊急時の末梢からの血管確保などの場合です。
「レベル2」が一般的な点滴に当たるもので、医師の指示に基づいて行われるものです。
「レベル3」は、末梢静脈留置針の挿入などで、「医師の指示の下で」「一定以上の臨床経験を有し、かつ、専門の教育を受けた看護師のみ」が実施するものです。
「レベル4」は、さらに高度になり、看護師は行わないと定められたものです。例えば、切開、縫合を伴う血管確保、およびそのカテーテル抜去、そして中心静脈カテーテルの挿入などが挙げられています。
実際に臨床現場では、レベル3までの注射手技は、看護師が日常的に行っているものと思われます。
表1 看護師による静脈注射の実施範囲
| レベル1 | 臨時応急の手当てとして看護師が実施することができる |
|---|---|
患者のリスクを回避し、安全・安楽を確保するよう、臨時応急の手当として看護師の判断によって行う行為
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| レベル2 | 医師の指示に基づき、看護師が実施することができる行為 |
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| レベル3 | 医師の指示に基づき、一定以上の臨床経験を有し、かつ、専門の教育を受けた看護師のみが実施することができる |
例えば、認定看護師、専門看護師の他、将来的には輸液療法看護師等の育成が必要である。
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| レベル4 | 看護師は以下の行為は実施しない |
|
日本看護協会:静脈注射の実施に関する指針.p6~7.より引用
看護教育においても、厚生労働省が示している「看護技術についての到達目標」の中で、「与薬の技術」として表2のような基準が明らかにされています。「指示に基づいて」可能な技術として、「静脈内注射・点滴静脈内注射」が挙げられています。このように、末梢静脈注射、末梢点滴は、看護師に必要な看護技術の1つとなっているのです。
表2 看護技術についての到達目標
| 与薬の技術 | ||||
|---|---|---|---|---|
| ①経口薬の与薬、外用薬の与薬、直腸内与薬 | Ⅰ | |||
| ②皮下注射、筋肉内注射、皮内注射 | Ⅰ | |||
| ③静脈内注射、点滴静脈内注射 | Ⅱ | |||
| ④中心静脈内注射の準備・介助・管理 | Ⅱ | |||
| ⑤輸液ポンプの準備と管理 | Ⅱ | |||
| ⑥輸血の準備、輸血中と輸血後の観察 | Ⅱ | |||
| ⑦抗生物質の用法と副作用の観察 | Ⅱ | |||
| ⑧インシュリン製剤の種類・用法・副作用の観察 | Ⅱ | |||
| ⑨麻薬の主作用・副作用の観察 | Ⅱ | |||
| ⑩薬剤等の管理(毒薬・劇薬・麻薬、血液製剤を含む) | Ⅱ | |||
Ⅰ:単独で実施できる Ⅱ:指導の下で実施できる
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/oshirase/dl/100210-3c.pdfより引用
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