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2021年2月公開
末梢静脈カテーテルの挿入部位の選択
執筆:『エキスパートナース』編集部
末梢静脈カテーテル挿入の際には、以下の点を考慮することが必要です。
①患者の状態・年齢・診断名
②血管の状態・サイズ・走行
③行われている治療法の種類と期間
④輸液療法の履歴
その上で、挿入部位の選択を行います。挿入部位は、カテーテル由来血液感染や、合併症としての静脈炎の発生に関連しています。成人においては、下肢よりも感染リスクが低いとされている上肢の血管に挿入することが多いです。上肢の挿入部位を図1に示しました。手の静脈は、手首や上腕よりも静脈炎のリスクが低いと言われています。小児患者では、手、足背、頭皮等の挿入部位が考えられます。
図1 末梢静脈カテーテルの挿入部位
挿入部位を決めて、挿入を進める際には、以下のような手順で行います。
①患者の上肢を確認する
②最も末梢側の部位を選択する
・以前に挿入された部位よりも中枢側を選択する
③以下のような部位は、なるべく避ける
・屈曲した部位
・静脈炎や輸液漏れのある部位
・循環が悪く、うっ滞が強い部位
④駆血帯を巻く
・挿入部よりも10~20cm中枢側に巻き、血管を確認する
⑤血管が触知できない場合、患者に握り拳を開いたり閉じたりしてもらう
⑥必要なら15分くらい四肢をあたためる:血管が拡張し、緊張がとれるようにするため
⑦刺入部位を低くして静脈うっ滞が起こるようにする
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