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2021年2月公開
起こりやすい合併症「静脈炎」の対処法と予防方法
執筆:『エキスパートナース』編集部
静脈炎を早期に発見するためには、カテーテル留置部位の定期的な観察によって、静脈炎の徴候である「発赤」「腫脹」「熱感」「疼痛」に気づくことが必要です。静脈炎が発見されたら、すみやかにカテーテルを抜去します。
静脈炎のスケールを表1に示しました。
表1 静脈炎のスケール
| 等級 | 臨床上の判定基準 |
| 0 | 症状なし |
| 1 | 挿入部に、紅斑あり(疼痛の有無は問わない) |
| 2 | 挿入部に、紅斑または浮腫を伴う疼痛あり |
| 3 | ・挿入部に、紅斑または浮腫を伴う疼痛あり ・索条形成あり ・静脈の索条硬結が触知可能 |
| 4 | ・挿入部に、紅斑および/または浮腫を伴う疼痛あり ・索条形成あり ・長さ1 インチ(約25mm)を上回る静脈の索条硬結が触知可能 ・排膿あり |
INS(Infusion Nurses Society):Policies and Procedures for Infusion Nursing (4th ed),2011.
[翻訳版] 宮坂勝之総監修, 塚本容子監訳: 輸液看護の方針と手順. 株式会社メディコン資料; 99. より引用
静脈炎は、原因別に、「化学的静脈炎」「機械的静脈炎」「細菌性静脈炎」に分けられます。
①化学的静脈炎
化学的静脈炎は、内膜の化学的損傷で起こります。刺激性の輸液や薬液の投与を行った場合の内膜の損傷が原因となります。
化学的静脈炎の予防のためには、カテーテルの太さを考慮し、血液による薬液の希釈が十分になるように、輸液の速度や薬剤の希釈を考慮します。
②機械的静脈炎
機械的静脈炎は、内膜の機械的損傷で起こります。
機械的損傷は、カテーテル挿入中の手技、過剰な操作、不安定な固定などによってカテーテルが静脈内で動くことで起こります。
予防のためには、最小のゲージ、最短のカテーテルを選択することが必要です。また、血栓形成の防止になる材質を用いたカテーテルを選択します。
さらに、挿入の際、屈曲部への挿入を避けること、皮膚を十分に牽引して伸ばすことも大切です。
③細菌性静脈炎
細菌性静脈炎は、
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