※パスワードの変更もこちらから
2021年9月公開
『エキスパートナース』編集部
日本老年医学会と全国老人保健施設協会が合同で発表した「介護施設内での転倒に関するステートメント」については、ニュースのコーナーでも紹介しました。この声明は、医療・福祉従事者向けに公表されたものですが、同時に一般の人にも理解しやすい内容の簡易版として「介護施設内での転倒を知っていただくために」という国民へのメッセージも公表しています。その中では、「予防できる転倒と予防できない転倒に明確に区分できる基準はないこと」「予防できる転倒の範囲を広げる努力を続けることは専門職の使命だが、予防できない転倒が存在することも事実であること」を明らかにしています。
これまで、医療従事者や介護職の中に、「すべての転倒を防ぐことはできないのではないか」という実感(本音)があったことも事実でしょう。転倒は“身体拘束=抑制”との文脈でとらえられることが多く、特に認知症高齢者の転倒防止と身体拘束は、介護に従事する者にとって根深いジレンマでもありました。
今回の声明および国民へのメッセージは、エビデンスに基づいた知見から導き出されたもので、転倒に関する正しい認識と、防ぎうる転倒の具体策について示されており、患者・療養者・利用者に直接かかわるケアギバーにとっては大きな意味をもつものと思われます。ステートメントの内容を詳しく解説し、2021年3月に公表された「介護予防ガイド-実践・エビデンス編」についても、関連する部分を一部紹介します。
【参考にした文献】
■一般社団法人日本老年医学会
●介護施設内での転倒に関するステートメント
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/important_info/pdf/20210611_01_01.pdf
●介護施設内での転倒を知っていただくために
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/important_info/pdf/20210611_01_02.pdf
■国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
●「介護予防ガイド 実践・エビデンス編」
https://www.ncgg.go.jp/ri/topics/documents/yobo-guide.pdf
©DEARCARE Co., Ltd.