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2024年12月公開
GAF尺度を用いる際の声かけ・対話のポイントとは【事例紹介】
谷澤早紀
コモレビナーシングステーション 管理者
精神看護専門看護師・保健師・公認心理師
谷澤早紀
コモレビナーシングステーション 管理者
精神看護専門看護師・保健師・公認心理師
前項では、より良いケアのためのGAF尺度の活用のポイントをご紹介してきました。
ここでは、「利用者さんと一緒にGAF尺度をつける」を具体的に実践するとどのようになるのか、都内のある精神科訪問看護ステーションの利用者さんと、訪問看護師の対話を通じて、イメージを持っていただければと思います。
・登場人物
利用者:佐藤さん(仮称)
訪問看護師:鈴木さん(仮称)
・状況
鈴木さんは、現在週に2回、佐藤さん(先月から訪問看護ステーション「コモレビ」の利用を開始)を訪問しています。今日は月初めの訪問なので、GAF尺度の点数についても、佐藤さんとお話したいと考えています。今回の訪問前に、鈴木さんが3日前の訪問のことを思い出しながら考えた点数は「48」でした。(なお、先月初めてつけたGAF尺度の点数は「45」でした)
~佐藤さんの最近についてお話の後~
鈴木:佐藤さん、今日はGAF尺度を一緒につけたいと思っているのですが、よろしいですか?
佐藤:それはなんでしたっけ?
鈴木:GAF尺度とはこういうもので(GAF尺度の表を見せながら)、1か月前にはじめて一緒につけさせてもらったので、今日は2回目になりますね。佐藤さんにとっても、自分の調子をあえて点数にしてみることで、ご自分のことを一歩踏み込んで考えるきっかけになると思っています。わたしたちも、佐藤さんがご自身のことをどう考えているのか、より理解させていただくきっかけになると思っています。一緒に点数を考えていく形でも良いですか。
佐藤:あぁ、はいはい、そうでしたね!先月鈴木さんと一緒にこの表を見たのを思い出しました。
鈴木:ありがとうございます。じゃあ、早速見ていきましょうか。(表を一緒に見ながら)ここ1週間くらいをイメージしていただきたいのですが、今佐藤さんはご自身を評価したとき何点くらいだと思いますか?その理由もお聞きできればと思います。
佐藤:うーん.. そうだなぁ、この中だと70点くらいですかねえ。「全般的に良好」かなと。
今日はね、結構調子が良くて。久しぶりに昨日、わりと寝られたのもあるのかなあ。だからこの「軽い症状」「全般的に良好」ってところに当てはまりそうかなあと思って。あ、でもここに書いてあるみたいに「家の金を盗んだり」とかはしてないけどね(笑)
鈴木:お金の記述はたしかに物騒ですよね(苦笑)。でも、そうなんですね。「今日は調子がいいな」と感じてらっしゃるので70点くらいとお考えなんですね。
佐藤:うん。なんかね、久しぶりに。あとね、そういえば今朝、学生時代の友達が1人、5年ぶりくらいに連絡くれて。いまちょっと遠くに住んでるんだけど、地元に今度戻るから会わないかって。自分はいまこんなふうに病気ではあるから、会えるかはわからないんだけどね。でもちょっと嬉しかったんだよね。
鈴木:わあ、そうだったんですね。仲の良かった学生時代のお友達から連絡があるのは嬉しいですね。前回もお話を伺う中で感じたのですが、佐藤さんにとってはお友達の存在ってとても大切なようですね。(前回の記録を見ながら)前回は45としていたんですが、そのときは、佐藤さんにとって50-41の「社会的に重大な障害」がある状態というのは、「友人が全くいなくて孤独な状態」だとおっしゃっていましたよね。
佐藤:あれ、前回って45だったんだ。ずいぶん低いんだね。
鈴木:そう、低かったんです。このGAF尺度は、
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