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2025年9月公開
訪問入浴の流れとそれぞれの職種の役割
渡辺 忍
茨城県立医療大学保健医療学部
看護学科 准教授
標準的な訪問入浴介護のサービス提供の流れを図1に示します。前述のように、オペレーター、介護職、看護職の3名を1チームとして、組み立て式の浴槽を入浴車でご自宅に運び込んで行います。入浴車にはボイラーと貯水タンクが搭載されており、入浴車から引いたお湯を、利用者のベッドサイドなどに設置した浴槽に張り、入浴サービスを提供します。
図1 訪問入浴介護の流れ
訪問入浴介護では、オペレーターと介護職、看護職の3人が役割を分担してケアを行います。チームとしてサービスを提供するため、チーム内でのコミュニケーションが重要です。そして、互いの役割を理解したうえで協働することになります。
それぞれの役割を簡単に紹介します。
1)オペレーター
機材の搬送や訪問先への運転、連絡調整、入浴の準備・片づけなどを行います。
2)介護職
オペレーターと同様、機材の搬入、準備、着替え、入浴ケア、片づけなどを行います。
3)看護職
介護職と同様の業務を行うほか、チーム唯一の医療職として、入浴可否判断をすることが求められます。もちろん入浴前の可否判断だけでなく、入浴の利用者は重度者が多いため、入浴前・中・後の健康観察が重要な役割になります。安全で快適に入浴できるかどうかの判断をする際、皆さんなら何を観察するでしょうか。
訪問入浴介護での看護職にとって、何度か訪問したことがある利用者だけでなく、初めてお会いした方の入浴可否判断を行うというケースが少なくありません。限られた時間で普段の様子を把握しつつ、入浴当日の状態がどうなのかをアセスメントすることは、高い観察・判断力を求められます。
次の項目からは、訪問入浴介護ケアに携わる看護職として、どのような情報収集をし、介助を行っていけばよいか、見ていきましょう。
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