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2025年9月公開
利用者の状態に応じた入浴介助のポイントと、急変対応
渡辺 忍
茨城県立医療大学保健医療学部
看護学科 准教授
1)間質性肺炎などで呼吸状態が悪化しやすい場合
呼吸状態が悪い方の場合、入浴中の安楽な体位を保持することがポイントになります。安楽な体位は利用者によって異なります。入浴中だけでなく、移動時もその方の安楽な体位に保持することが大切です。例えば、座位やファーラー位が安楽な場合は浴槽内でクッションなどを用い、安楽な姿勢が保てるようにします。
また、静水圧で呼吸機能を圧迫しないように臍下までの浸水とし、シャワーを肩からかけ続けて保温しながら体を洗います(図1)。湯の外に体が出ている部分も多いため、室温を高めに維持することが必要です。
図1 呼吸状態が悪化しやすい場合の入浴
2)がんの末期の場合
入浴時間を5分程度に設定し、仰臥位で季肋部あたりまでの浸水にとどめます。
背部は浮力を使い浮かしながら洗うことで、不必要な体位変換を避けるように工夫します。
痛みがある場合、入浴時に鎮痛効果が高くなるよう、事前に鎮痛薬を使用しておいていただくとよいでしょう。
ターミナル期はエアマットを使用していることが多いです。その場合は、エアマットを押すようにして背中側にできた隙間からタオルや衣類を潜り込ませながら反対側に送ることで、不必要な体位変換をせず、循環動態の変動を最小限にすることができます(図2)。
図2 体位変換を最小限とする更衣のコツ
3)人工呼吸器を装着している場合
自発呼吸の有無で対応が異なります。
浴槽の位置は、
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