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2026年2月公開
小児訪問看護の“いま”と“これから”
岡本 直美
一般社団法人つかさ 代表理事
小児訪問看護は、在宅で療養する0~18歳未満の子どもを対象に行う看護サービスです。経管栄養や人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引などの医療的ケアが必要な子どもたちから、医療的ケアを必要としない子どもまで、対象は幅広く、さまざまな支援が求められます。
近年、小児の訪問看護を利用する子どもは着実に増加しています。直近の「訪問看護療養費実態調査」によると、0~14歳の利用者数は2021年度の7,654人から2023年度には10,017人へと増加し、わずか2年で約3,000人増えました1。また、小児訪問看護の対象となる医療的ケア児ⅰも増加傾向が続いており、公的データが示す2005年の9,987人から2024年には21,126人と、約20年で倍増しています2(図1)。
医療技術の進歩で救える命が増える一方で、子どもと家族を地域で支える体制づくりが大きな課題となっています。2021年には「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」(以下、医療的ケア児支援法)が施行され、各都道府県で「医療的ケア児支援センター」ⅱの設置が進められていますが、社会資源や人材が不足している地域もあり、現実には多くの課題が残されています。
こうした状況のなか、小児に対応できる訪問看護ステーションの拡充は急務といえます。訪問看護は、子どもが家庭で生活しながら成長していくことを支える重要な役割を担っています。家族の不安や困りごとに寄り添い、安心して在宅での療養が続けられるよう支援するとともに、家族の休息時間の確保やきょうだい児への配慮など、生活全体を見守る視点も欠かせません。
この記事では、小児訪問看護の現場で私が大切にしている考え方や、日々の支援で意識していることをお伝えします。この分野に触れたことのない方にも、小児訪問看護の実際を少しでも身近に感じていただければ幸いです。
ⅰ 医療的ケア児:医学の進歩を背景として、NICU(新生児特定集中治療室)等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃瘻等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のこと。対象は0~18歳未満だが、高等学校などに在籍している場合は18歳以上も含まれる。(厚生労働省資料より)
ⅱ 医療的ケア児とその家族のさまざまな相談について総合的に対応する窓口のこと。医療的ケア児支援法にて支援措置の1つとして各都道府県への設置が示された。さまざまな相談について総合的に対応する窓口のこと。2023年3月1日現在で、40都道府県が医療的ケア児支援センター58か所を設置している(厚労省資料より)。
図1 全国の医療的ケア児(在宅)の推計値(0~19歳)
こども家庭庁:医療的ケア児について.2025.
(厚生労働科学研究費補助金障害者政策総合研究事業「医療的ケア児に対する実態調査と医療・福祉・保健・教育等の連携に関する研究(田村班)」および当該研究事業関係者の協力のもと、社会医療診療行為別統計によりこども家庭庁支援局障害児支援課が作成)
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/5218c3a3-610e-4925-8596-a9116889756f/5b0946ad/20250819_policies_shougaijishien_care-ji-shien_03.pdf(2025.11.30アクセス)
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