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2026年2月公開
病院から家庭へ:生活と医療を支えるケア
岡本 直美
一般社団法人つかさ 代表理事
病院では、医療者の声や医療機器のアラーム音が絶えず響いています。そうした環境から、子どもは突然、静かで家族だけがいる家庭へと移ることになります。これは子どもにとって大きな環境の変化です。
母親も同じように環境の変化を経験します。身近に医療者がいない状態で子どものケアを始めなければならず、不安が大きくなる時期でもあります。
移行した直後によく見られるのが、病院の方法をそのまま家庭に持ち込んでしまうことです。特に、コロナ禍以降、病院の“感染への敏感さ”が、母親の不安を強めてしまうことがあります。
例えば、吸引チューブの場合、支給数に制限があるうえ、気管切開していない場合は自費購入となる場合があります。病院では使用するたびに吸引チューブを消毒するように指導されていますが、自宅では吸引チューブであれば「歯ブラシ」と同じように扱って問題ないこと(=水道水による洗浄)、カテーテルチップであれば「食器」と同じように扱って問題ないこと(=中性洗剤による洗浄)を説明すると安心してケアに取り組めるようになります。
また、「家庭を清潔区域にしない」という考え方も大切です。きょうだい児がいると発熱などの体調不良は避けにくく、家全体を病院並に清潔に保つことは現実的ではありません。
訪問看護師は、こうした家庭環境の特性を理解し、無理なく在宅生活へ移行できるよう支援します。
在宅でのケアは、病院での手順やルールにとらわれず、家族が続けられる“やりやすい方法”を手探りで見つけていく場です。
例えば、気管切開部のガーゼ交換では、原則として切り込み部は下向きが基本ですが、分泌物が流れ出てしまう子どもの場合には、あえて上向きにすることもあります。
また、入浴介助では、子どもが成長し、身体が大きくなってくると簡易浴槽やシャワーチェアなど、必要な道具が増えますが、どれも価格や保管場所の問題から一長一短があり、選択基準は家庭ごとにさまざまです。使うのは看護師であったとしても、購入を依頼することはせず、代替方法を提案したり、訪問入浴サービスや住宅改修などの情報を提供したりしながら、生活に合った方法を検討します。子どもは成長しますので、例えば「身長が伸びたらどうする?」といった想定も含め、常にケアの主体(主に母親)の目線で考えることが大切です。
訪問時にまず注意するのは、親の様子です。子どもたちは、自分の状態を言葉で説明できないことも多く、異常を判断するのが難しい場合があります。そのため、親が感じる「いつもと違う」という直感は、とても重要な情報になります。
ただし、看護師はどうしても異常な点を探してしまいがちです。些細な変化を言葉にしてしまうと、母親が気にしていることを「強調された」と感じてしまうこともあります。そのため、母親が話し始めるまで待ち、看護師から伝える場合は、まずはよい点を見つけ、ほめてから、「少し▲▲が気になったのだけれど、いつもはどう?」とたずねるようにしています。
また、きょうだい児にも積極的に声をかけます。「あなたのことも、とても大切に思っているよ」と伝え、自分自身を大切にしてほしいという気持ちを届けています。もちろん、訪問看護を受けている対象児を優先するような声かけは行いません。
ヤングケアラーにさせないよう、きょうだい児にケアへの介入を促すことも避けています。ただし、
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