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MDRPU「医療関連機器圧迫創傷」の名称を「医療関連機器褥瘡」に変更することが2024年2月に日本褥瘡学会用語集検討作業部会から発表がありました。
■関連ニュース(2024年4月)
・医療関連機器“圧迫創傷”から医療関連機器“褥瘡”へ 用語の見直しが進む2017年1月公開
(4)医療関連機器の適正な使い方を解説する実践的な「ベストプラクティス」
日本褥瘡学会では実態調査によってMDRPUの発生状況を把握し、臨床現場で多く使用されていてMDRPUが発生しやすい機器の予防とケアに関する指針作成にとりかかりました。医療機器の定義は前述したとおりですが、臨床の現場では、いわゆる“医療機器”以外に、例えば手作りの抑制帯やベッド柵などもあり、そうした用具・器具によって発生する創傷も含めるという意味から「医療機器」ではなく「医療関連機器」としました。学会が挙げた医療関連機器を表1に示します。
表1 医療関連機器の例1
これらの医療関連機器の中で、今回の指針の中で取り上げたのは表2のようなものです。発生場所や頻度などから重点的に取り組むべき機器を選定し、具体的な対策を検討していきました。
表2 今回取り上げた医療関連機器
学会が作成した「ベストプラクティス 医療関連機器圧迫創傷の予防と管理」はなぜ“ガイドライン”ではなく“ベストプラクティス”なのでしょうか。ガイドラインというのは、「臨床上の疑問(CQ)」を作成し、そのCQに関する既存のエビデンスを国内外の研究論文から収集し、論文の研究デザインによってエビデンスレベル・推奨度を決定します。しかし、MDRPUに関しては発生率や治癒を評価指標とした介入研究は非常に少なく、ガイドラインを策定するにはエビデンスが十分ではないと判断されたためです。そこで、MDRPUに対する具体的な対応策を解説する「技術的なテキスト」として作成することになりました。このベストプラクティスは、個々の機器に応じた具体策が豊富に紹介されているため、臨床家にとってはまさに実践の指標となるものです。
文献
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