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MDRPU「医療関連機器圧迫創傷」の名称を「医療関連機器褥瘡」に変更することが2024年2月に日本褥瘡学会用語集検討作業部会から発表がありました。
■関連ニュース(2024年4月)
・医療関連機器“圧迫創傷”から医療関連機器“褥瘡”へ 用語の見直しが進む2017年1月公開
(5)MDRPUの発生要因による予防・ケアをアルゴリズムで示した
MDRPUは医療関連機器による圧迫が原因で生じますから、「機器自体による要因」と「個体がもつ要因」、さらには「ケア行為そのものが要因になる場合」があります。そこで学会では、MDRPUについて機器要因、個体要因、ケア要因の3つが関連して発生しているという概念図をつくりました(図1)。それぞれの要因を簡単に説明します(表1)。
図1 MDRPU発生の15の危険因子の関連概念図
MDRPUのリスク判断は、図中の15の危険因子について「あり、なし」で判定する
日本褥瘡学会編:ベストプラクティス医療関連機器圧迫創傷の予防と管理.照林社,東京,2016:16.より引用
表1 MDRPUの発生要因の概略1
機器要因 | サイズ、形状の不一致 | 年齢・体格に適合したサイズ |
---|---|---|
情報提供不足 | 適正な使用方法、禁忌、管理方法などが的確に提供されていない | |
個体要因 | 皮膚の菲薄化 | 軽微な外力で表皮または真皮が損傷を受けやすい |
循環不全 | 心臓から各臓器への十分な血流が供給されない | |
浮腫 | 間質に組織間液が過剰に貯留している | |
機器装着部の湿潤 | 機器装着部局所の水分増加 | |
機器装着部の軟骨・骨・関節等の突出 | 装着部に圧をかける軟骨・骨・関節等の出っ張り | |
低栄養 | 栄養摂取が必要量以下 | |
感覚・知覚・認知の低下 | 装着部近傍の皮膚の痛覚。触覚・温冷覚が低下 | |
ケア要因 | 外力低減ケア | 機器装着により皮膚・下床の組織に加わる外力低減のためのケア |
スキンケア | 皮膚の生理機能を良好にするケア | |
栄養補給 | 低栄養改善のための適切な栄養摂取 | |
患者教育 | 患者・家族の協力が必要な事項を医療者に教育すること |
MDRPUの発生要因に応じて、予防と管理のための流れを示したのが図2です。このフローチャートでは、
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