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2019年11月公開
転倒のリスク要因の精査:運動機能をみる
編集 上内哲男
独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO)東京蒲田医療センター
リハビリテーション科 リハビリテーション士長
日本転倒予防学会理事
専門理学療法士(生活環境支援/運動器)
リスク要因の精査に用いられるツールは、職種によりさまざまです。ここでは、運動機能に関するツールをいくつか紹介します。ただし、1つの転倒リスク評価ツールのみで判断するのではなく、複数を組み合わせて行うほうがよいとされています。
Berg Balance Scale(BBS)とも呼ばれる、バランス能力の評価テストです(表1)。検査は14項目からなり、56点満点で、転倒リスクのカットオフ値は45点と報告されています1。すべて行うには20分程度かかりますが、総合的にバランス能力を評価できるため、広く用いられています。
表1 Functional Balance Scale
以下の各検査項目で当てはまる最も低い得点に印を付ける 1)椅座位から立ち上がり 2)立位保持 着座の項目に進む 3)座位保持(両足を床に着け、もたれずに座る) 4)着座 5)移乗 6)閉眼立位保持 7)閉脚立位保持 |
以下の項目は支持せず立った状態で実施する 8)上肢前方到達 9)床から物を拾う 10)左右の肩越しに後ろを振り向く 11)360°回転 12)段差踏み換え 13)片足を前に出して立位保持 14)片脚立ち保持 得点 /56 |
Berg K, Wood-Dauphine S, Williams J.I., et al.: Measuring balance in the elderly: preliminary development of an instrument. Physiotherapy Canada 1989; 41(6): 304-311. 日本語版は文献2より転載.
患者さんが10mの距離を歩くのにかかる時間を計測します。歩く速さが一定の状態で10mを歩いてもらう必要がありますが、
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