※パスワードの変更もこちらから
2025年12月公開
Part2 在宅でNPPVを利用している療養者へのケア
3.マスクフィッティングとリーク対策
辻本雄大
株式会社GIVE&MAKE代表取締役社長
クリケア訪問看護ステーション所長/管理者
急性・重症患者看護専門看護師、特定看護師(7区分16行為)、公認心理師
NPPVの効果を最大限に引き出すには、マスクの適切なフィッティングとリーク(空気漏れ)の管理が不可欠です。そのためには、マスクの種類と特徴を理解する必要があります(表3、図3)。
マスクが合わないと送気が漏れ、換気効率が低下するだけでなく、医療関連機器褥瘡(MDRPU:medical device related pressure ulcer、MDRPI:medical device related pressure injury)と呼ばれる皮膚損傷や不快感、治療離脱の要因となります。訪問看護師は、顔の形状、鼻梁の高さ、口呼吸の有無などを観察し、療養者に適したマスクタイプ(フルフェイスマスク、ネーザルマスクなど)を選択します。
装着時は均等にバンドを締め、過度な圧迫を避けてリークを調整します。意図的なリーク(呼気ポート)と、マスクのずれなどによる非意図的リークがあります。めやすは50~60L/分です。
鼻や口周囲からの漏れ音がある場合は、マスク位置やクッションの劣化を確認し、必要に応じて交換します。また、皮膚保護のためにハイドロコロイド材やシリコンパッドを用いるとよいとされています(図4)。
MDRPU/MDRPIが生じた場合は、医師に連絡し、呼吸状態が許せば、短時間マスクを外して皮膚を休ませたり、マスクの種類変更により圧迫を解除します。そのうえで、医師指示のもと、適切な薬剤を塗布します。
表3 主なマスクの例と特徴
| マスクの種類 |
フルフェイス
製品例:F&P Viteraフルフェイスマスク |
ネーザル
製品例:AirFit™ F40 マスク |
|---|---|---|
| 適応 | 急性期 | 慢性期 |
| ガスリーク | 開口の影響あり | 開口で著明 |
| 設定圧 | 高圧OK | 低圧のみ |
| 嘔吐 | 誤嚥の危険あり | 回避可能 |
| 排痰 | 排痰しにくい | 排痰しやすい |
| 会話 | 聞き取りにくい | 聞き取れる |
| 飲食 | マスクを外せば飲食可能 | 装着中も飲食可能 |
| 皮膚症状 | 多い | 軽度 |
| 目の乾燥 | 軽度 | 軽度 |
| その他 | — | メガネ装着可能 |
辻本雄大編集代表,北別府孝輔,小波本直也,山室俊雄,平井亮編著:ポケット人工呼吸器.照林社,東京,2022.を参考に作成
図3 リーク予防のためのマスクフィッティングの注意点
辻本雄大編集代表,北別府孝輔,小波本直也,山室俊雄,平井亮編著:ポケット人工呼吸器.照林社,東京,2022.を参考に作成
図4 マスクフィッティングとMDRPU/MDRPI予防
ご登録された会員メールアドレスとパスワードを入力して、「ログイン」を押してください。
ログイン
限定コンテンツ
実践のコツや記事などの
「限定コンテンツ」が見られる!
資料ダウンロード(PDF)
一部の記事で勉強会や
説明など便利に使える資料を公開中!
ケア情報メール
新たなコンテンツの
公開情報や、ケアに役立つ情報をお届け!
実践ケア動画
エキスパートのワザやコツが
学べる動画を多数掲載!
期間限定セミナー動画
各分野のエキスパートが登壇。
1回約15分で学べる!
電子書籍
書店で販売されている本や、
オリジナル書籍が読み放題!
©DEARCARE Co., Ltd.

