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在宅で人工呼吸器を使用している療養者の日常生活ケア

（1）気管切開の種類

➀一時的気管切開と②永久的気管切開（永久気管孔）の2種類があるため、受け持ち時にどちらかを確認します。
②では、声帯の下で気管を切り離し、気管切断面を頸部に開けた孔（永久気管孔）につなぎます。気道と食道が完全に分離されるため、誤嚥防止に有効です（図5）。

図5　気管切開の種類

（2）気管カニューレの種類と構造を理解する

気管カニューレは、大きく以下の3種類の組み合わせによって、その用途が異なります。

➀カフの有無

カフがあると、人工呼吸器が使用可能で、誤嚥予防（完全に防ぐことは難しい）にもつながります。小児では、カフなしが選ばれます。
気管は直径が小さく、粘膜・軟骨がやわらかいため、カフ圧がわずかに高いだけでも、粘膜虚血→肉芽形成→狭窄・気管軟化のリスクが上がる点に注意が必要です。

➁単管（管が1つ）か複管（内筒と外筒の管が2つ）か

複管では内筒が外せるため、気道分泌物による閉塞が生じにくい構造です。

➂側孔の有無

側孔があると、発声が可能です。

これらの特徴に応じ、療養者の状態や希望によって選択されます（図6）。気管カニューレの一例として、発声が可能なカフ付きカニューレとその原理を紹介します（図7、図8）。

図6　気管カニューレの選択

図7　気管カニューレの例：カフ上部吸引付き、カフ付き複管（スピーチタイプ）

製品例：コーケンネオブレス　スピーチタイプ
（写真提供：株式会社高研）ⓒ2024 KOKEN CO.,LTD.

・内筒は外筒を装着したまま取り出して洗浄することができるため、閉塞の予防となる
・スピーチタイプは、発声用バルブを装着することで、挿管中でも発声が可能となる

図8　発声可能な気管カニューレの発声方法と原理

・内筒を抜き、発声用バルブを装着する
・吸気時：バルブの弁が開き、気管孔から空気が入る
・呼気時：バルブの弁が閉じ、空気が側孔から声門を通過して発声が可能となる

（3）気管切開孔周囲のケア