2020年1月公開
前述の廃用性筋萎縮・筋力低下の場合には、不動部位が影響を受けることになりますが、加齢による筋萎縮・筋力低下の場合には次に示すいくつかの特徴があります。
以下に、このような特徴について解説します。
骨格筋はおおむね40~50歳ごろから加齢変化を示すと考えられています(もちろん、個人差は存在します)1。この骨格筋の変化にはさまざまな加齢変化が影響していると考えられており、慢性炎症、酸化ストレス、サテライト細胞、各種ホルモン、アポトーシス、インスリン抵抗性、不活動などが挙げられています(図1)2。
文献2より引用
全身には大小さまざまな400以上の骨格筋があり、これらはすべて同じように加齢による影響を受けるわけではありません。
直立二足歩行を行うヒトにとって、重力に抗して直立位を保つことは大変重要です。このような姿勢保持に重要なはたらきをしているのが抗重力筋です。
そして、この抗重力筋が加齢による影響を受けやすく、そのなかでも、体表近くにあり、比較的大きく、さらに速筋線維を多く含む筋がより強く影響を受けると考えられています3(図2)。抗重力筋に筋萎縮・筋力低下が生じると、高齢者に特有の脊柱後弯変形をきたしやすく、そしてADL動作等に支障をきたしやすくなります。
骨格筋は大きく遅筋線維(タイプⅠ線維)と速筋線維(タイプⅡ線維)に分類できます。加齢による影響を受けやすいのは速筋線維のほうといわれています4。
速筋線維は瞬発的に大きな力を発揮する特徴をもち、一方で遅筋線維は大きな力は発揮しにくいものの持久力にすぐれているという特徴があります(図3)。つまり、高齢者では大きな力を必要とするような立ち上がりや階段昇降などの動作に制約が生じやすくなります。
図3遅筋線維と速筋線維
引用文献
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