2017年5月公開
編集協力 メディカルトリビューン
静脈瘤は多くの人が罹患する一般的な疾患です。癌のように早急に処置が必要となる疾患ではありませんが、生活の質(QOL)を高めるために治療は必要です。しかし、過度に恐れ過ぎないことも大切です。
近年、メディアで下肢静脈瘤が大きく取り上げられ、疾患の知名度は高まりましたが、間違った情報も広がっています。例えば「下肢静脈瘤を治療しないと血栓が脳や心臓に飛んで、みんな脳梗塞やエコノミークラス症侯群、心筋梗塞になる」「下肢静脈瘤を放置しておくと、すぐに足を切断することになる」などです。このような説明を医療機関で受ける場合もあり、多くの患者さんが不安や懸念を抱えて来院します。患者さんにも医療者側にも正確な知識の啓発が十分とはいえない状況です。
下肢静脈瘤があると、患者さんは一般の開業医(クリニック)の先生方を受診されることが多いです。静脈瘤は徐々に進行する慢性疾患なのでクリニックでの初期の対応は、だるさ、むくみ(浮腫)、炎症、美容上の訴えなどの症状が出てからでも間に合います。最近は下肢静脈瘤の専門医が増えていますので、症状がなくとも心配であれば専門医に診察してもらうのがよいでしょう。
このサイトは、下肢静脈瘤について正しい情報を提供し、クリニックの医師や看護師の方々が下肢静脈瘤を十分に理解し、適切に診療できることを目的としています。このサイトを日常診療に役立てていただければ幸いです。
下肢静脈瘤を正しく見極める
特集:下肢静脈瘤における医療用弾性ストッキングを用いた圧迫療法
-医療用弾性ストッキングの効果と使用目的 監修 孟 真先生
専門医施設リポート
もともと私は消化器外科が専門でしたが、たまたま心臓血管外科外来の手伝いをするようになり、そこで下肢静脈瘤の患者さんを診察することになりました...
私が赴任した1993年頃は、下肢静脈瘤の認知度がまだ低く、この疾患に悩まされている患者さんは何科を受診したらいいか分からないという時代でした...
開業は2000年6月です。最初は「白石心臓血管クリニック」という名前で、循環器内科と心臓血管外科を標榜していました...
監修
2019年6月現在