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2022年12月公開
エコーによる褥瘡のアセスメント
浦田克美
東葛クリニック病院 主任
皮膚・排泄ケア特定認定看護師
1999年に、国内で褥瘡の深さをエコーで評価する論文が発表されました。そこには「(超音波画像において)低輝度所見が見られる褥瘡は全層欠損である」と明示されています1。
当院で、超音波検査士を褥瘡対策チームに迎え、褥瘡エコーに挑戦し始めたのが2009年からでした。
2020年には、褥瘡状態評価ツールのDESIGN-R®が改定されてDESIGN-R®2020となり、「深部損傷褥瘡(DTI)疑い」が追加されました。その判断方法の1つとして画像診断が明記されました2。画像診断にはCTやサーモグラフィ、エコーなどがありますが、タイムリーかつ簡便に使用できるのはエコーではないでしょうか。
2022年に『褥瘡予防・管理ガイドライン‐第5版』が発刊されました。ここでも、「褥瘡の深達度を予測するにはどのような方法を行うとよいか」という設問に対して、「超音波画像診断法を行ってもよい」と明記されています3。
このように、23年という年月を経て、褥瘡エコーはいまや俄然注目を集めています。ここでは、当院での経験をもとに、褥瘡エコーの活用方法について紹介します。
当院では、1回/週の褥瘡回診で褥瘡エコーを行っています。エコー機は、ベッドサイドで使用できるラップトップ型、プローブはリニア型です。周波数は、8MHz以上、 Depth(深さ)は、3cmを初期設定とします。
当院の褥瘡回診の流れを図1に示します。
図1 当院の褥瘡回診の流れ
プローブは、感染対策上ビニールやラップ類で保護します(写真1)。プローブ走査の際に、カバーしたビニール類が捲れないよう輪ゴムやテープで固定するのも必要な事前準備です。エコーゼリーの成分は、水、増粘剤、防腐剤で、褥瘡内に付着しても有害ではありません。ただし、検査後は十分に洗い流します。
診療報酬は、医師の指示があれば看護師でも実施することが可能で、350点/回算定できます。
写真1 ラップで保護したプローブ
褥瘡とは、日常生活動作の中で身体の外から加わる圧迫や摩擦・ずれ力によって血流が乏しくなり組織損傷を生じた状態です。皮膚表面の損傷は、発赤や組織欠損など一目瞭然です。一方、皮下組織や筋肉組織に発生した損傷は、肉眼では評価が分かれるところでした。しかし、エコーを使えば皮下の組織損傷の有無を客観的に可視化できます。
褥瘡エコーの役割は、(1)d1の発赤とDTI疑いの判別、(2)褥瘡の深さの評価、(3)ポケット褥瘡の辺縁の評価、です。
(1)d1の発赤とDTI疑いの判別
改定DESIGN-R®2020で追加された項目に、「深部損傷褥瘡(DTI)疑い」があります。DTI(deep tissue injury)は、
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