2016/01/12
公益社団法人日本看護協会では毎年、その時々の医療・保健・福祉の動向に呼応してタイムリーな情報を盛り込んだ「看護白書」を年度版で発行している。2015年12月に刊行された「平成27年版」のテーマは「少子超高齢社会に期待される看護の人材育成」となった。
超高齢社会の到来が見込まれる2025年に向けて、すべての領域で医療人材のマンパワー充足が課題になっているが、国は看護師人員では現在の就業看護師数157万人を200万人に増やそうとしている。本書では、そうした量的拡大と同時に質的な向上をめざす基礎教育・現任教育の方向性を示している。
同協会では、2015年に看護職のあるべき姿を示す「看護の将来ビジョン」を策定する中で、人材育成への継続的取り組みを進めているが、本白書では「時代の変化に対応し、専門職として役割発揮できる人材をいかに育成していくか」というスタンスを明確に打ち出している。
「看護の将来ビジョン」の中では、「看護職は生活をみる」という視点を強化しながら医療的支援を行うこと、そしてチーム医療のキーパーソンであるという立場を鮮明にした。「治す医療」から「支える医療」への転換が急速に求められるなかで、看護が担う役割はいっそう大きくなるだろう。
坂本すが会長は、本白書の中で以下のように述べている。
「社会の期待に応え、看護職がその力を最大限に発揮するために、最も重要かつ基本となるのは『教育』です。多様なニーズに対応し、あらゆる状況下で行動できる力を育成するには、基礎教育はもとより、卒後の継続教育の充実を図ることが不可欠です。そのためには、看護職自身の努力とともに、教育・研修・資格・認証制度などで制度的に保障していく仕組みが必要となります。そして具体的に、現場の看護職や看護管理者は、どのように継続教育に取り組んでいけばいいのか、そのヒントを提示するのが本白書です。」
本白書の主な項目立ては以下のようなもので、それぞれの章の中で概要を紹介した「解説」と、実際の「事例」が掲載されている。
体裁はB5判、264頁。発行は、日本看護協会出版会。
詳しくは、日本看護協会出版会Webサイトを参照
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