2016/04/5
【このニュースに関するより新しい特集があります(2020年11月公開)】
外来までつながった!排尿自立を促すアプローチ
令和2年度診療報酬改定「排尿自立支援加算」「外来排尿自立指導料」の概要
尿道留置カテーテルを抜去しても、なかなか自立して排尿できない患者さんは多い。そこで、排尿自立を促すアプローチを多職種チームで行い排尿自立支援を行う「排尿自立指導料」が、今回の診療報酬改定で新設され話題になっている。
排尿自立指導料とは
これは、日本創傷・オストミー・失禁管理学会と日本老年泌尿器科学会が共同で提出していた医療技術「下部尿路機能療法」が保険収載として認められ、より一般的な名称「排尿自立指導料」となったものだ。1日でも早く排尿が自立することで、人としての尊厳が守られるだけでなく、転倒予防・寝たきり防止にもつながる。
排尿自立指導料は、すべての保険医療機関で申請でき、入院患者に対して、病棟の看護師と排尿ケアチームが、下部尿路機能の回復のための「包括的排尿ケア」を行った場合に、週1回200点を6回まで算定できる。保険点数上の評価もかなり高い。ただし、排尿ケアチームによる関与と、病棟の看護師等による患者への直接的な指導・援助のうち、いずれか片方のみしか行われなかった週については算定できない。また、排尿が自立し指導を終了した場合には、その後については算定できない。
対象となる患者は、以下の者である。
排尿ケアチームの構成と必要な研修
排尿ケアチームの必要な職種は、医師、看護師、理学療法士で以下のような規定がある。
現時点(3月31日)で認められている研修は、医師では日本慢性期医療協会の「排尿機能回復のための治療とケア講座」で、今後、日本泌尿器科学会等も提供・認定する予定となっている。看護師の要件として認められている研修は、①日本看護協会認定看護師養成課程「皮膚・排泄ケア」の研修、②日本創傷・オストミー・失禁管理学会、日本老年泌尿器科学会、日本排尿機能学会「下部尿路症状の排尿ケア講習会」、③日本慢性期医療協会「排尿機能回復のための治療とケア講座」。特定非営利活動法人日本コンチネンス協会が行っている「コンチネンス中級セミナー」及び認定特定非営利法人愛知排泄ケア研究会が行っている「排泄機能指導士養成講座」は、それぞれ「コンチネンス中級セミナー」と併せて「コンチネンス中級セミナー追加研修」を修了した場合、及び「排泄機能指導士養成講座」と併せて「下部尿路機能障害の排尿自立支援指導講習」を修了した場合には、排尿自立指導料にある所定の研修とみなされることになる。
排尿ケアチームの活動
排尿ケアチームは以下のような活動を行う。
包括的排尿ケアとは、看護師等による排尿誘導や生活指導を中心とし、必要に応じて理学療法士等による排尿に関連する動作訓練、医師による薬物療法等を組み合わせたもの。計画・実施にあたっては、下部尿路機能の評価、治療および排尿ケアに関するガイドライン等を遵守する。
算定に当たっては、病棟看護師の業務、排尿ケアチームの行うべき業務を整理して、「排尿自立指導に関する診療の計画書」に沿った流れで業務を進めることが必要になるだろう。
日本創傷・オストミー・失禁管理学会ではいち早く、日本老年泌尿器科学会・日本泌尿器科学会・日本排尿機能学会等と共同して、排尿自立指導料申請のための「手引き」を作成した。その概要は当学会の会員であれば、ホームページからアクセスできる。また、本内容を収載した書籍『平成28年度診療報酬改定 「排尿自立指導料」に関する手引き』(A4判、40頁、オールカラー、定価864円)は2016年4月25日発売予定。
詳しくは、下記の日本創傷・オストミー・失禁管理学会Webサイト参照
http://www.jwocm.org/medical/fee/
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