2015/07/31創傷ケア
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特集:医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)を
どう防ぎ、どうケアするか
NPPV(非侵襲的陽圧換気法)のフェイスマスクや酸素マスク、あるいは深部静脈血栓症予防のための弾性ストッキングやフットポンプなど、医療関連機器によって発生する創傷は、ケアに当たる看護師や患者を見守る家族にとって大きな問題である。日本褥瘡学会では、これら「医療関連機器圧迫創傷(MDRPU:Medical Device Related Pressure Ulcers)」について早くから問題視し、新たな褥瘡対策の課題として取り組んでいる。
同学会ではMDRPUの啓蒙のため、「医療関連機器圧迫創傷を知っていますか?」というカラーポスターを作成して会員に送付するとともに、それぞれの医療機関で掲示してもらい情報の周知徹底を図っている。
その一方で、同学会では実態調査委員会で2013年にMDRPUの実態について調査した。調査に同意し、分析可能であった対象者がいた施設は、病院301施設、介護保険施設127施設、訪問看護ステーション134施設の計562施設。
MDRPUの有病率は、病院で0.14~0.74%、介護保険施設0.02~0.07%、訪問看護ステーションで0.34%であった。
褥瘡の中でMDRPUが占める割合を見ると、一般病院12.4%、療養型病床を有する一般病院6.4%、大学病院20.0%、小児専門病院50.0%、介護老人福祉施設1.8%、介護老人保健施設5.5%、訪問看護ステーション12.9%という数字が出ている。これまで褥瘡とひとくくりにされていた中でも、MDRPUがいかに多かったかがよくわかる。とくに小児では褥瘡の半数が実はMDRPUであったと言える。高齢者が多い介護主体の病院・施設ではMDRPU以外の褥瘡が多いことがわかる。
それではどのような医療関連機器によってMDRPUは発生しているのだろうか。施設類型によって多少の違いはあるが、おおまかに以下のことが言える。
最も多いのは「ギプス、シーネ」で、2番目が「医療用弾性ストッキング」、3番目が「気管内チューブ(経鼻または経口気管挿管専用チューブ、バイトブロック)」、4番目「NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)フェイスマスク」と続く。
MDRPUの好発部位は、上記の医療関連機器とも関連するが、体幹部(一般病院、大学病院、小児病院)、足首や脛骨部(療養病床を有する一般病院、介護保険施設)、耳介部(訪問看護ステーション)となっている。
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