2016/05/26
筑波大学と神戸大学の研究グループは、自宅で最期を迎えたがん患者と病院で最期を迎えたがん患者の生存期間の違いを検証した。その結果、「予後が日の単位」「予後が週の単位」と見込まれる群では、自宅で亡くなった患者群のほうが病院で亡くなった患者群に比べて生存期間は有意に長く、「予後が月の単位」で見込まれる群では、亡くなる場所によって生存期間に有意な差は見られなかった。
この研究は、日本国内58医療機関の「緩和ケア病棟に入院した患者」、「緩和ケアチームが関わった患者」「在宅緩和ケアを受けたがん患者」を対象に、2012年9月から2014年4月にかけて実施された。解析対象となった2069名を、推定される予後で「日の単位」「週の単位」「月の単位」の3群に分け、それぞれの群で、自宅で亡くなった患者と病院で亡くなった患者の生存日数を比較した。
予後が日の単位と見込まれる群と週の単位と見込まれる群では、自宅で亡くなった患者の平均生存期間はそれぞれ13日間・36日間、病院で亡くなった患者の平均生存期間はそれぞれ9日間・29日間であり、自宅患者の生存期間が有意に長かった。また、予後が月単位と見込まれる群では、自宅で亡くなった患者の平均生存期間は59日間、病院で亡くなった患者の平均生存期間は62日間で、両者に有意な差は見られなかった。
今回の調査は、生存期間に影響する症状の重症度などを調整していないなどの限界はあるが、「最期を迎える場所によって生存期間が短くなる可能性は低い」という説明に活用できる。
図1 予後が日の単位と見込まれる群の生存曲線(カプランマイヤー法)の比較(横軸は生存日数、縦軸は生存率)
詳しくは、下記の筑波大学webサイト参照
http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201604011330.html
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