2016/07/15
糖尿病や慢性腎不全は、重症化すると下肢に潰瘍や壊疽が発生し、最悪の場合は切断せざるをえない。しかし、このような患者がどの程度発生しているのかを正確に示すデータは、日本には存在していなかった。
そこで厚生労働省では、2012年と2013年の間に17万9,453人の血液透析患者のデータを分析し、四肢切断の新規発生数・発生率、下肢切断後の死亡率やQOL(生活の質)について調査を実施した。それによると、四肢切断の発生数は1,640人、発生率は0.9%と高値だった。また、下肢切断後の状態について、2施設で観察研究を実施した。その結果、1年間の死亡率は40%、54.6%であり、歩行機能獲得者は3.3%、9.0%であった。下肢の切断を行うと死亡率が高くなり、QOLも著しく低下することがわかった。
この調査結果を受け、厚生労働省は、2016年度診療報酬改定で「下肢末梢動脈疾患指導管理加算」を新設した。人工透析患者の下肢末梢動脈疾患の重症化予防を適切に評価することで、早期発見・早期治療につなげることを目指している。診療報酬によって、新規の四肢切断患者発生数・発生率がどのように変化するかが注目される。
人工透析患者の下肢末梢動脈疾患重症化予防の評価 |
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<人工腎臓>
[施設基準]
<重症下肢虚血病変の評価> (新)経皮的酸素ガス分圧測定 100点(1日につき)[算定要件] 重症下肢血流障害が疑われる患者に対し、虚血肢の切断若しくは血行再建に係る治療方針の決定又は治療効果の確認のために経皮的に血中のPO2を測定した場合に3月に1回に限り算定する。 |
表 下肢末梢動脈疾患指導管理加算
詳しくは、下記の厚生労働省Webサイト参照
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115984.pdf
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